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  • 2013/09/26

【特別コラム】「大学生は勉強なんかしなくてもいい。もっと大切なことがある」?

本編はコチラ → 【連載】誰も悪くないのに「勉強しない大学生」が生み出されるメカニズム


このようなお話をすると、

大学生は勉強なんかしなくてもいい。もっと大切なことがある

と反論される方がいます。

そういった方には、「あなたやわたしの時代はそうでした。でも、時代は変わったんです」と言うことにしています。どういうことか、説明しましょう。

まず前提として、大学生が勉強しないのは、今も昔も同じなのです。私自身も28年前に大学を卒業していますが、大学生時代はまったく勉強した記憶がありません。

1,2年のときですら、大学に行っていたのは週に2日程度ではなかったかと思います。試験にしても、過去の問題を見つけてきたり、友人にノートのコピーをもらったりして、何とか単位を取っていました。

また、試験でわからない問題に当たったときは、「どうして勉強をする時間がなかったか」などの言い訳を書いて、単位をもらったりしていました。

しかし、この10年で状況は一変しました。

「企業は国籍を問わず優秀な人材を採用しており、すでに学生は(職を得るため)グローバル競争をしている」

これは、2012年11月29日の日経新聞に載った、ボストンコンサルティンググループ日本代表・水越豊氏のコメントです。

10年ほど前まで、採用活動において、私が外国の大学生と会う機会はほとんどありませんでした。著しい経済発展とともに、アジア圏でも大学進学率が急上昇し、就職市場に流れ込んでくる「大卒」者の数が激増したのです。

その結果、今では中国やインド、韓国などの大学生とも競合するようになりました。

  • 日本人同士だけで競争していた時代は、全員が大学時代に勉強していなかったのですから、「大学生は勉強なんかしなくてもいい」と言えたのです。競争条件が一緒だったからです。

でも、4年間みっちりと知的能力を育成されている海外の大学生とも競争しなければならなくなった今は、状況が違います。

たとえポテンシャルでは勝っていたとしても、知的能力が最も伸びる10代後半から20代前半の4年間のハンデはあまりにも大きすぎます。日本の大学生が海外の大学生と比べて就活で不利になるといえるでしょう。

 


コラムニスト紹介

辻太一朗 TSUJI, Taichiro

1959年生まれ。京都大学工学部卒業。
(株)リクルートで全国採用責任者として活躍後、99年(株)アイジャストを創業。2006年(株)リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。
採用コンサルタントとして延べ数百社の企業を担当。数多くの大学で講演、面接トレーニングの実績ももつ。
10年、大学教育と企業採用の連携を支援することを目的に(株)グロウスアイを設立し、11年には、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(略称DSS)」を設立。大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の学業への意欲向上と学業を通しての就業力の向上を図りやすい社会を創る活動を、企業や学生、大学と連携し、意欲的に行っている。

著書

なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか

作者: 辻太一朗
出版社: 東洋経済新報社
発売日: 2013/3/29
メディア: 単行本 Kindle版
 

t-newsに掲載している辻太一朗さんの記事を見るにはコチラ

著者:辻太一朗

1959年生まれ。京都大学工学部卒業。
(株)リクルートで全国採用責任者として活躍後、99年(株)アイジャストを創業。2006年(株)リンクアンドモチベーションと資本統合、同社取締役に就任。
採用コンサルタントとして延べ数百社の企業を担当。数多くの大学で講演、面接トレーニングの実績ももつ。

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