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  • 2016/01/29

あなたはどのタイプ?第一線で活躍する人の学生時代を読んで自己診断! 【タイプ2】医師

  • 元外資系金融マンの山羊健太さんが業界の第一線で活躍する方へインタビューする第二弾。第一線で活躍する一流の社会人が大学時代、どのようなことをしていたのか、というのは皆さんの大学生活をどう過ごすかの大きな参考になるのではないでしょうか。今回は、東大医学部出身で昭和大学病院長をされている有賀徹氏です。昔も今も変わらない本質とは?(t-news編集部)

——— 今日は、有賀さんの学生時代のお話を伺いたいんですが・・・

あのねぇ。インタビュー受けるのはいいんだけどねぇ。僕の話聞いたって、参考にはならないんじゃない?東大医学部なんて特殊な所の話は、汎用性がないと思うんだけど。

——— それは大丈夫です。このt-newsは<東大家庭教師友の会>っていって、もともと東大生の学生自主運営からスタートした企業だったので、有賀さんの後輩にあたる学生が多く読んでますから。

そうなの?

——— そういえば有賀さん、この前 週刊誌に載ったって聞きましたけど。

ああ、安倍総理との写真ね。あれは僕がスクープされたんじゃなくて、安倍さんの隣にたまたま僕が映ってただけで。会合が終了して、通路でもう一度会って握手をしたの。その直後ちょうど安倍さんがこうカメラの方をくるっと向いたタイミングで撮られたから、僕も映っちゃって。

——— 総理との会合だったんですか?

ある勉強会に呼ばれたんだよ。その懇談会でのこと。いろいろな会合にはよく呼ばれるの。自分はこう考えるっていうのを、僕はハッキリ言う。多分そのことが理由かも。

——— 自分の考えって、例えば何ですか?

例えば、憲法9条とかだよ。どっちがいいとかじゃないけどね。賛成とか反対とかじゃなくてね。

——— な、なるほど。でも、その話は学生向けの記事にしにくいんで、やめておきましょうか?

そう?

——— 有賀さんって、いつもシンポジウムとかで、ドキドキすること言いますよね。公での発言を見てると「おお?!」と驚くことが多いですよ。

んー。自分は自分だからね。僕は、正しいと思っていることは言うよ。

——— 怖いものない感じがしますね。

議論はケンカではないので、怖いという類ではないよ。言いたいことは言うけど、偽りを言っているわけではないし。まぁ、立場もあるけど、自分の考えは自分の考えでしょ。そういう意味で言いたいことは言う。

——— 子供の頃からそうだったんですか?

そうだね。昔から、自分の軸はブレないよ。やる事やってれば、あとは自由だって思ってた。例えば、昇級・昇格・卒業の試験とか、60点合格だとしたら、僕は100点は目指さずに、60点を狙ってギリギリで合格してた。その代わり余った力を他に使うためにね。

——— 有賀さんって、僕の印象では「本質で動く人」なんですけど、まさにその感じ。60点を狙う有賀さんは、本質主義の人って感じがします。どんな子供だったんですか?

中学高校は、桐朋学園っていう音楽で有名な学校でね。 あっ、音楽で有名なのは大学の方なんだけど。

——— 音楽を志してたんですか?

いや、ウチは母親が箏曲の大師範で、父親が新聞記者だったんだよ。

——— どうして医学の道へ進んだんですか?

理系が得意でね。でも、科学とか物理とかの隅々まで何事もクリアーにしていく方面じゃなくて、もっとフニャフニャとしたものが好きだなぁって思ってて。それで生物学、医学だったんだ。

——— ふ、ふにゃふにゃ・・・?

漠としたもの、というか。

——— それを実感したのはいつ頃ですか?

高校2年の時に、医者になるって決めたね。

——— それまでは?

学校がね、個々が自由であることを尊重している学校でねぇ。例えば、すごい右翼思想の先生と、すごい左翼思想の先生が共存している学校だったんだよ。教師の思想が分かれていても、それぞれで何も強制されない学校だった。

——— つまり、集団として1つに統一されることなく、それぞれが自由だったと?

そう。それぞれが、あっちで自分の考えを持ち、こっちで自分の考えを持ち、という感じで「各々が自分の考えを主張していて、それでいい」っていう学校だった。

——— ああ。それが有賀さんのベースにあるんですね。なんだか納得です。だから、発言するのを恐れないんだ。

自分の考えは主張していい。自分は自分。それが中学・高校の環境だったよ。大学時代の友達といまだに会うんだけど、その時に「お前は昔からずっとブレてない。変わってない」って言われるんだ。「だから有賀のことは信頼できる」ってね。でも進化していないかも・・・。

——— 学生の頃から40年以上。どんな所が変わらないんですか?

んー。例えば、僕は学生の時から憲法9条について自分の考えは言ってたからね。

——— な、なるほど。40年も前から・・・。

前に、東京地裁の会合で呼ばれたことがあってね。判事が退職するっていうんで、おつかれ忘年会があって。

——— 判事のお別れ会に呼ばれたんですか?どうして?

僕は脳外科医だからね、医療訴訟の判断とか求められることがあるんだよ。交通事故の頭蓋骨の損傷を見せられて「これ、車は何キロくらい出てたんですかね?」って聞かれるんだ。

——— えっ、有賀さんは、頭蓋骨から車の時速が分かるんですか?

全てではないにしても大概分かるよ。だって、見てきてる数が多いからね。割れ方を見て、これは何メートルからどの角度で落下したとか、車は何キロで走ってたとか。そのくらい見れば想像できる。それだけ僕は、実践も研究も重ねてきたから。

——— それで、その判事さんが退職することになって・・・?

その時にね、ずっと昔、僕に言われて印象に残ってることがあるって告白されて。まぁ、僕は覚えてなかったんだけど。「裁判は言葉遊びだ」って僕が言ったらしい。

——— そりゃまた、ズバリ言いましたね・・・

だって、裁判って“本質”じゃないでしょう。医療の本質っていうのは「人体に何が起きたか?」「どうして起きたか?」「どう対処できたか?」「次に起こらないようにするには、何をしたらいいか?」に取り組むこと。一方で、訴訟っていうは、この事象をどんな言葉で表現したら勝つかっていう言葉遊びだ。何事にも附帯状況があるのは分かるんだけど、それは“物事の本質”じゃない。でしょ?

——— あはは。実に有賀さんらしいエピソードですね。以前に救急医療の検討会で「それぞれの言い分があることは分かる。しかし、これは患者のための議論だ。議論の軸が逸れた時には『患者のためになるか』。そこに立ち戻りたい」と有賀さんが前置きして議論が始まったという記事を読んで、ハッとしました。(注1)救急医療の本質。有賀さんは常に「本質」について考えていますね。(注1 救急医療の検討会記事はこちら

僕は、救急医療の専門家でもあるんだけど。研修医を救急車に乗せることにしてるんだよ。

——— 救急隊員でもないのに、救急車に同乗させるんですか?

うん。なんでか分かる?

——— ・・・・・?

救急車に乗ったら分かるんだよ。症状の背景が分かる。背景が分かっていれば、どう治療していいかが見えてくる。何が問題かが分かるんだ。だから、研修医を乗せる。

——— 他の病院でそれをやってる人は?

普通はやらないよねぇ。研修医を救急車に乗せるなんて。でも、乗れば「救急医療として、何をすべきか」が見えてくるんだよ。

——— ああ。つまり“本質”が分かるってことですね? 有賀さんは、やはり本質でしか動かない人だ。

ウチの病院って解剖する割合が20%なんだけど、他の病院は平均が5%なんだ。つまり僕は4倍も解剖している。『何のための解剖か?』って話でね。解剖ってのは、遺族に説明するために取り組むわけじゃない。いや、解剖の同意は必要だけどね。病院にとって解剖することの意味は、亡くなった患者さんからも学ぶべきは学び、医学の発展のため、医療能力の向上のため。つまり医療者としてレベルアップするためだ。 何が起こったのか? どうしたら良かったのか? 次にどう学んでいくのか? それを知るために、西洋医学の方法論として解剖はするものなんだ。

——— それが結果、患者のためになる。つまりそれも、本質の話ですね。解剖の“本質”。医療事故調査委員会制度(注2)について有賀さんが講演していた時も感じたけど、僕は内部統制の専門家なんで、すごく共感します。会社組織でのモニタリングは、経営スキルを上げるためのものです。でも、それを理解してる組織は少ない。なんのためのモニタリングかを考えたこともない人ばかりです。医療経営にその視点を取り入れている有賀さんは、医師でありながら経営者ですね。(注2 医療事故調査委員会制度とは

僕は、物事の全体を俯瞰で見ちゃうところがあって、そうすると、必然的にどこが問題かが分かるでしょ。すると次に、改善すべき課題が見えてくる。人の身体でいえば、それは総合診療(注3)という話になり、病院経営であれば、自分の役割の範囲を広げていくことになる。自分の役割の外側に課題が見つかれば、そこに対応するためには役割の範囲を広げるしかないよね。僕は、1つ1つ、そうやって生きてきた。(注3 総合診療とは

——— 有賀さんがよくメールで書く「ですネッ!」っていう語尾、なんか好きなんですよ。お茶目っていうか。威張ってないっていうか。有賀さんらしいなっていつも思います。私も含めて人って自分を大きく見せることばかり考えてるのに、有賀さんにはそれがない。その姿勢に、惚れ惚れします。

——— じゃあ、今日のインタビューは、まとめて記事にした段階でチェックしてもらうでいいですね?

まぁ、取材と記事とは別物だからね。好きにまとめてくれていいよ。

——— えっ?!それ、「取材と記事が異なる」って僕が言うことはあっても、言われたのは初めてです!「誤解を招くから表現を変えてほしい」っていうリクエストって必ずあるんですよ。記事の掲載自体を中止してほしいって言われたこともあります。大抵の人は怖いんですよ。誤解されるのが怖い。評判が落ちるのが怖い。どんなに立派なキャリアを持ってても関係なくて、人は記事を恐れるんです。特に、訴訟のリスクを持っている立場の人が「好きに書いていい」とは、なかなか言えないですよ。いやぁ、驚いた・・・

僕は怖いという感覚はないよ。

——— それは、有賀さんが“本質”を捉えて生きてるからですね。他人からどう評価されるかを気にして行動するのではなく、自分が言いたいことを言う。自分自身を生きているから、誤解を恐れる必要がないんでしょう。

自分は自分だからね。自分の考えは言う。言ってから、議論する。議論するんだよ。自分の考えは自分の考えだからね。僕は、そう思うよ。

以上

この他に有賀氏らしさが表れているアナウンスメントを読みたい人はこちら

【有賀徹 プロフィール】

1976年東京大学医学部卒業。昭和大学病院病院長。日本救急医学会指導医。日本脳神経外科学会専門医。日本救急医学会監事 。日本外傷診療研究機構監事。日本臨床救急医学会監事。

インタビュアー紹介

 

山羊健太(やぎけんた):金融プロフェッショナル。

著書:True Colors 若者たちへ もう本は読まなくていい

HP:Making of True Colors Dear Youths.

Blog:食を制する者は、ビジネスを制す! by 山羊健太

その他のt-newsに掲載している山羊健太さんの記事を見るにはコチラ

著者:山羊健太

金融プロフェッショナル。Deloitte Touche Tohmatsu 有限責任監査法人トーマツ入社。米国系最大手投資銀行M監査チーム配属。その後、監査法人の管理職に昇格する出世の道を捨て、世界最大資産運用会社BlackRockの内部監査人に転じる。その後、外資系一流金融機関のキャリアを捨て、独立。3000万円の赤字を黒字にする約束でコンサルティング会社3代目CEO就任。次々に契約を結ぶ。その後、CEOの肩書きを捨て、現在は伝説のLPとして業界最大手金融機関に籍を置く。輝くキャリアを捨てまくることで、年収をウナギのぼりに上げ続けている。趣味は仕事。特技はマクロビ料理と海外旅行。TOEIC920点。

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