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  • 2015/06/01

就活のプロに聞く、就活で武器になる海外経験とはいったいなんなのか?

はじめに

メルサゼミ代表の鈴木です。今回で4回目となる、シリコンバレー/ロサンゼルスを舞台に行われる、学生ビジネスプロジェクトメルサゼミ海外研修2015年夏季プログラムが、今年もバージョンアップして開催されます。

それに伴って今回のテーマは、「就活で武器になる海外経験」について。留学や海外インターンを考える中で、多くの学生さんがゴールに見据えているのが他でもない「就活」であることはご承知の通りだと思いますが、とはいえ、具体的にどのような要素が就活の武器になるのか?しっかり理解している学生さんは実は意外に少ないもの。特に、海外経験者に期待される“グローバル人材”の要素は、未だ未知の部分が多いのではないでしょうか?当然のことながら、企業が求める人材の要素“需要”に皆さんが持ち合わせるスキルがマッチしなければ、いくらお金をかけて留学しても全く意味のないものになってしまいます。

今回は、『留学』と『キャリア』の両方を熟知している国内では珍しい専門家であり、留学経験者と企業採用担当者の間で長年キャリアカウンセラーとして従事されている有限会社あうとりがーの本橋幸夫氏に、多くの留学経験者の就活をサポートしてきたご自身の経験も踏まえてお話を伺いました。

 

—本橋幸夫氏プロフィール—

●米国 CCE,Inc. 認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●総合旅行業務取扱管理者
●有限会社あうとりがー代表
http://ryugaku-career.com/

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。その後、留学生の出口である帰国後の就職・キャリア教育の重要性に着目し、2010年、留学生向け就職支援・研修会社にて留学生のキャリア支援にも携わる。その経験を生かし、現在、自社において、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。これまで 留学生支援を開始以来、23年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリアコンサルティング・就職支援を行なう。現在、厚生労働省委託事業 【 Global ACE 】(一般社団法人海外留学協議会)において全国のキャリアコンサルタント31名をまとめるスーパーバイザー役を担当し、キャリアコンサルタントに対して、留学生に対峙する際の助言・指導を行っている。

 

未知の世界に飛び込んでいける力が必要

鈴木:「この度は新書出版おめでとうございます。今日は、「就活で武器になる留学経験」についてお話を伺いたいと思います。宜しくお願いいたします」

本橋:「ありがとうございます。こちらこそ、宜しくお願いいたします」

鈴木:「早速ですが、「グローバル人材」の需要はもうあたりまえすぎるくらい必須事項として採用条件に入っていますが、具体的にはどういうケースでどのようなスキルがどのように求められているのか、今日はそのあたりのお話も伺えたらと思っております」

本橋:「実際、特に学生さんの場合には、今すぐ英語力やグローバルスキルを具体的に求めている会社は実はそんなに多くはありません。ただ、昨今の『国内需要の低迷』『新興国をはじめとする海外市場の活発化』『労働力人口の減少化』などの理由により、海外に進出する企業は当然増えていますし、これから需要は必ず増えていきます。その時に留学経験者がどのようなポジションにつくかが重要です。これから海外展開をする局面になったときに、具体的に戦力になり得る人材ですね」

鈴木:「本当にそう思います。とはいえ、具体的にどういう戦力が必要なのか?というところは、実際に企業のトップもよくわかっていなかったりするケースが多いような気がします」

本橋:まずはやはり英語力ですね。日本で学ぶ英語と現場の英語は全然違いますが、その感覚を理解している人は少ないと思います。英語力のレベルは全般的に低く、例えば海外事業展開をしている企業が人材に求める英語力はTOEIC850点以上ですが、実際には550点くらいの人たちを送っているのが現状だと言われています」

鈴木:「TOEICは実践英語力の評価基準としてはまったくあてにならないということも言われていますが、TOEICの点数自体も低いということなんですね?英語力に関しては自分も含めて他のアジアの若者と比較しても全体的なレベルの水準が格段に低いことは、本当に危機的な状況だと思っています。「英語は単なるツール」といいますが、”単なるツール”さえも使えない危機的な状況といいますか」

本橋:「そうなんです。本当に危機的だと思います。そしてもう一つ、これからの人材に求められる重要な要素として、未知の世界に飛び込んでいける物怖じしないマインドを持ちあわせているかどうか。失敗を恐れず挑戦できるマインドですね。また文化や価値観の異なる人と協調できたり、コミュニケーションをはかれる人材には注目が集まるはずです」

鈴木:「本当にそうですね。自分は物怖じしまくるタイプだったのですが、海外経験でだいぶ強くなりました。失敗することが怖くなくなったといいますか、失敗しても挑戦し続けることで自分のレベルが上がっていくことがわかるようになると、全てが楽しくなってきます。ただ、こういうことを実践している人はごく少数派でしょうし、企業側もそういう人材をうまく使いこなせていないという課題はあるのではないでしょうか?」

本橋:「そうです。とにかく英語力しかり、日本人のグローバルスキルというのは他国に比べて格段に低いですが、これは個人だけに問題があるわけではなく、企業に問題がある部分も多いです。海外駐在員に丸投げで、明確な目的やタスクも告げずに「とにかく結果出してこい」と放り出し、現地では現地労働者との折り合いが悪かったり、日本の本社との板挟みで相談相手も少ない。さらに、帰国後のポストも保証されていないというケースも多いと聞きます」

鈴木:「予算とリソースを使って若い人材を送り出したものの、うまく機能していない例はよく耳にします。ホンダの本田宗一郎さんも、京セラの稲盛和夫さんも、会社が小さかった時から自分で海外に乗り込んで行っていましたし、昨今急成長しているIT系のベンチャーも得てしてトップが先頭を切って海外に出ていっていますが、経営陣が本腰入れて海外展開に乗り出している企業って少ないですね。でも、企業の体質が変わることはそう容易ではない、だからこそ主体的に海外事業展開できるようなマインドを持った若手が求められているのかなと思っています。ただ、やはり少数派でしょうね」

本橋:「そうですね、しかしながら一方で、いろんな留学生を見ていますが、海外留学で主体的に取り組んで見事な成果を上げて帰国する人もたくさんいるんです。例えば、こんな例がありました」

1年間カナダへのワーキングホリデーに参加した当時20代の女性がいました。カナダではテレビの制作の仕事をしたいということで、そんな仕事ができるアルバイト先へ何社も直接足を運び、やっとの思いで採用されました。最初は、カナディアンの上司とともに、法人営業のアシスタントとして同行していたそうです。しかし彼女は次第に自分が営業に向いていないと思い始め、そもそもこの仕事をなんで選んだのかと考えたそうです。そして、もともと自分はテレビの制作の仕事をしたいという目的を思い出し、上司に思い切ってテレビの制作の仕事をさせてくれと直談判したのです。ところが、日本で就業経験があるわけでもなく、もちろん、番組の制作の仕事経験もないため、答えはNOだったそうです。ところが彼女は諦めずに、事あるごとに機会をうかがい上司に制作の仕事をやらせてもらえるよう直談判を続けました。その結果、ようやく上司は重い腰を上げ、いい企画書をかけたらチャンスをあげると言ってくれたのです。彼女は英語力の問題もあったものの、ひるむことなく懸命に企画書を書き上げ提出したところ、なんと彼女の企画が採用され、制作過程もこなし、見事彼女の企画の番組が放映されたのでした。ビザが切れる時期になり、彼女はその会社から残ってもらいたいと説得されました。彼女の働きぶりは、それほど見事だったそうです

「このような彼女のエピソードは、「アルバイトであっても、インターンシップであってもボランティアであっても、海外のコミュニティに入って何か任務を与えられたら、まずはそれをしっかりこなしたうえで、さらに自分に何ができるかを考え、主体的に組織に関わり提案をしていき、周囲に好影響を与えられるような行動を起こすこと」で、着実なスキルが身についている良い例だと思います。ただ、彼女のように成果を残せればベストですが、成果が出せなくてもよいのです。自分が周囲に働きかけたこと自体が自分を成長させる原動力となり、確実に主体性や行動力が育まれていくからです。私はよく留学生に「海外生活では、チャレンジした“結果”以上に、“プロセス”をもっと評価していい」と言います。なぜかといえば、結果を問わず、チャレンジする過程において人は大きく成長できるからです」

鈴木:「すばらしい。ここまで出来る人はなかなかいないですが、やってみれば意外にできることも多いのかもしれませんね。具体的にはどう取り組むべきでしょうか?」 

本橋:「まずは留学前のプランニングです。そのためには留学を通じ、どんな自分になりたいか、あるいは何を達成したいかを決める。要するに自分自身のゴールを設定することです。もし思い浮かばなければ、たとえば、主体性、異文化適応力、発信力、ストレス耐性など、予め留学でどんな力が身に付くのかを調べ、その中から3つほど身に付けたい力を決め、行動計画に落としこんでみると良いでしょう」

「学生さんの場合、留学生活を就活に結び付けたいと考える方も多いので、そんな方には『社会人基礎力』や『21世紀型スキル』など、企業がどんな人材を求めているかを調べ、それに近づくために留学中にどういう行動をしていくかを具体的にプランニングしてみることをお勧めします。やはり自分が進むべき道がハッキリ見えていたほうが、人は頑張りやすいですからね。留学目的が明確の人のほうが、曖昧な人よりも留学における充実度は高く、帰国後にも企業から評価されやすい、というデータもあるほどです」

鈴木:「本当にそうですね。そう思います。とはいえおそらくほとんどの留学生は理屈ではわかっているはずでも、実際に行動計画に落としこんで行動に反映させていくのは容易なことではないですよね。実際に行動に移すために、何か具体的におすすめの方法はありますか?」

本橋:「留学中の行動管理です。自分を客観視できる記録を残すことをお勧めします。自分の活動を時系列で保存できる日記形式のブログがお勧めです。ブログには、自分の経歴を客観視でき、自己PRがしやすくなるということ以外に、自分自身が振り返ることができる材料になったり、周囲の人に見られているという意識が働き、文章力がUPするといった様々な利点があります。できれば、一人で頑張るよりも、数人でチームを組み、お互いがブログの記事に対してコメントやフィードバックをし合う仕組みを作れると、なおモチベーションも維持がしやすく、より頑張れるでしょう。要するに、自分の行動状況に周囲の人を巻き込むのです。自分一人で頑張るよりも、一緒に頑張れる仲間がいるほうが断然、モチベーションも上がり、成長度合いも確実に高まります」

鈴木:「確かに、最初はモチベーション高く取り組んでいても、どんなに意志が強くても自分1人だと続きませんが、適度な外部からの強制力を適度に取り入れることで、自分を律する環境を自ら作るというのはかなり効果がありそうですね。このように、しっかり留学中に目標を達成して帰国した後が本番ですが、帰国後のほとんどの就活生は、残念ながらありきたりな自己PRに終始し、ありきたりな就活市場の中で出口を探していると感じます。というより、それ以外のやり方が今の日本の就活市場にないんですよね。だから留学にしても、「とりあえず英語力」で、残念ながらほとんどの留学経験者は語学学校で英語力UPさせることだけが目的になっているように思います。よく考えてみれば、英語力をUPさせる語学学校に通って英語力をUPさせるという当たり前の経験が評価されるわけはないですが、何かしら他人と違う取り組みで結果を残した学生がいたら当然アドバンテージになりますよね」

本橋:「そうですね。その過程の中で必ず人間的に成長しますので。就活のためではなく人間的な成長を目指すべきです。結果的にこれが企業の求める人材にもなるんですよね。要するに企業は、自ら成長できる人を採りたいわけですから」

鈴木:「私自身、挑戦と失敗の連続でしたが、それがあって成長できたと確信しています。企業は、意外とチャレンジして失敗したことを評価してくれていると思います。学生にはもっと思い切って挑戦して、失敗を経験してほしいと強く思います」

本橋:「本当にそう思います。今の自分を変えたい、向上したいから留学するんだと思うんです。そのために何をすべきかは簡単で、海外で新しいことにチャレンジする、今まで自分の選択肢になかったことにチャレンジする、避けていたことにチャレンジすることです。そうすると当然、失敗も多く経験することでしょう。でもその失敗経験の中に自分の可能性が開く鍵があるのです。失敗のない無難な海外生活を送った留学生と、数々のトラブルや失敗、難題を克服してきた留学生のどちらが『成長』というお土産が大きいかといえば、間違いなく後者です」

「私は、留学は『体験した者勝ち』だと留学生に発破をかけています(笑)。留学では、良い体験と困難な体験の両方をひっくるめて『良い体験』なんです。失敗を恐れずにチャレンジすることです。成功や失敗ではなく、チャレンジしたことをちゃんと評価してくれる企業もたくさんあります。なぜかというと、今後企業は、答えのない未来に突き進んでいかなければならないからです。そのためにもチャレンジ精神を持ち、失敗を恐れずに果敢に立ち向かえる人材を益々必要とし、求める傾向が強まるはずです。繰り返しになりますが、チャレンジしたときには、結果じゃなくて、チャレンジできた事実をもっと自分自身で評価して欲しいと思います。海外という未知の世界でチャレンジできたということはスゴイことなんですよ。もちろん、物事を成し遂げるときには、タイミングやご縁という要素も大切ですが、タイミングも縁もチャレンジしたからこそ得られるものですから、どんどん挑戦してほしいと思います」

まとめ

これからの市場で必要とされる価値ある人材になるために、未知の環境にチャレンジするチャレンジ精神と主体性を持ち、目標を明確化し、具体的な行動計画を行動に落としこむことができるようになることが重要であるというお話でした。

ある人は、「ダメかもしれないからやらない」とあきらめ、ある人は「ダメじゃないかもしれないからやる」と考えて行動に移します。可能性が1%しかないと考えるのか、可能性が1%もあると考えるのか、全ては自分の考え方次第。留学もありきたり、就活もありきたり、よくわからない「あたりまえ」に従うマジョリティに埋め尽くされている日本の現状は危機的状況であると言わざるをえません。しかし、だからこそ「ちょっと違ったことをやってみる」ことで、自分の価値を最大限生かしたキャリアを構築していくことができます。是非、皆さんも帰国後のキャリアのアドバンテージになるスキルを、留学や海外インターンシップで身に付けてください。

本日インタビューした本橋さんの著書はこちら 

海外で英語をモノにする人、できない人 総集編

http://ryugaku-career.com/info/20150430/

 



メルサゼミよりお知らせ

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コラムニスト

鈴木

鈴木郁斗(IKUTO SUZUKi)

株式会社メルサ・インターナショナル・ジャパン代表取締役
米国法人MELSA INTERNATIONAL LLC C.E.O.

1983年生まれ、山形県出身。大学卒業後、航空宇宙機器メーカにて設計エンジニアとして5年間勤務。予てからの海外起業を目指し、2009年に米国留学し、留学先のロサンゼルスで留学支援会社を設立。以降、文科省関連の国際教育プログラムの案件をはじめ、日本の大学生向けの海外ビジネスに関する教育のプログラムを運営。自身の米国での4年間のビジネス経験を経て帰国後、2013年に㈱メルサ・インターナショナル・ジャパンを設立。現在、大学生向けの海外ビジネスの研修プログラムや、米スタンフォード大学、シンガポール国立大学など、日米、アジアの教育機関や企業との連携による、大学生/若手の海外ビジネスに関する学び・実践の場を提供し、大学生/若手人材のキャリア支援に従事する。

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著者:鈴木郁斗

1983年生まれ、山形県出身。学生時代は航空工学を専攻し、航空宇宙機器メーカにて設計エンジニアとして5年間勤務。予てからの海外起業を目指し、2009年に米国留学し、留学先のロサンゼルスで留学支援会社を設立。以降、文科省関連の国際教育プログラムの案件をはじめ、日本の大学生向けの海外ビジネスに関する教育のプログラムを運営。自身の米国での4年間のビジネス経験を経て帰国後、2013年に㈱メルサ・インターナショナル・ジャパンを設立。現在、大学生向けの海外ビジネスの研修プログラムや、日米、アジアの大学・教育機関や企業との連携による、大学生/若手の海外ビジネスに関する学び・実践の場を提供し、大学生/若手人材のキャリア支援に従事する。一方で、日本企業の海外進出/新規事業を担うプロジェクトマネジメント業務を請負い、自らもグローバルビジネスのキャリアアップに奮闘し、より高度な実践と教育の両立を目指している。

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