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  • 2015/09/13

いろはすは「水を売らない」から売れる!陳列棚からいろはすだけが消えるワケ

はじめに

最近、コンビニの飲料コーナーに出向くと、水だけではなくフレーバーウォーター=味付きの水を目にすることが多くなりました。一昔前と比べて、飲料水の陳列数が格段に増えたとは思いませんか?

近年、日本でミネラルウォーターの消費量が増えたのは「い・ろ・は・す」が関係していることや、そもそもこの名前をつけた理由をあなたは知っていますか?このコラムを読み終えた頃には、自然と飲みたくなってしまう、様々なワクワクや思いのつまった「い・ろ・は・す」の裏側を覗いてみましょう!

(Photo by:日本コカ・コーラ |企業情報 |ニュースリリース: 日本コカ・コーラ株式会社 Coca-Cola Journey)

次々に登場するミネラルウォーターたち

1. フレーバーウォーター

みかん味、りんご味と新たなフレーバーウォーターを販売し始めた日本コカコーラの「い・ろ・は・す」は、シリーズ累計販売数が3年間で20億本を突破しました。この爆発的な売り上げをみて、飲料水メーカー各社もフレーバーウォーターに比重をおくようになりました。

またサントリーフーズが提供する「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」はヨーグルトの味を楽しめるのに見た目は普通の水と変わらないという点が消費者に大ウケし、販売に生産が追いつかなくなるまでにヒットしました。

今後もフレーバーウォーターは市場の拡大が期待されているでしょう。最近、味のある水を確かによく見かけるようになりました。ヨーグリーナ騒動も記憶に新しいですよね。

2. デトックスウォーター

デトックスウォーターとは、自分の好きな果物や野菜をミネラルウォーターに加えてつくる水のことです。砂糖や甘味料を使用せず、素材の甘みや香りを楽しむという面では低カロリーで健康的なドリンクとも言えるでしょう。

また目的に合わせて果物や野菜をチョイスすることで、オリジナルのヘルシードリンクを作ることができます。例えば「疲労回復・美肌」にはビタミンCが豊富なイチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、レモンなどを入れるとよいでしょう。「リラックスしたい」方には、グレープフルーツ、パイナップル、オレンジの柑橘系に爽やかなミントをプラスするのがおすすめです。

「高血圧予防・むくみ解消」にはライム、キウイ、リンゴ、キュウリなどカリウムを多く含む食材を選びます。水を"おいしい水"としてでなく、新しい形で販売しようとする試みは最近のものですよね。今後はフレーバーやデトックスウォーターも主流になっていくのでしょうか。

(出典:デトックスウォーターで体脂肪が減った!森泉特製デトックスウォーターレシピ・バイキング

「い・ろ・は・す」のいろは

少し変わった名前の「い・ろ・は・す」ですが、この名前には多くの想いが込められています。「い・ろ・は・す」は”いろは”と”LOHAS”を組み合わせた言葉です。日本の天然水にこだわった製品だったので、最も日本らしい言葉として物事の基本を意味する”いろは”をベースにしたいと考えていたそうです。

そこに健康と環境を志向するライフスタイルを意味する”LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainability)”を足したのは、意外なきっかけからでした。

メンバーの家で話しているときに、ちょっと席を離れていたメンバーが『すー』と言って、話し合いの場に帰ってきたんです。
(引用:「い・ろ・は・す」を20億本売った”女マネ” | 新世代リーダー50人 | 東洋経済オンライン 

こうして2つの言葉が組み合わされて誕生した「い・ろ・は・す」は、平仮名で子どもやお年寄りにも分かりやすいブランド名になりました。ロゴには平仮名表記の下に”I LOHAS”と英字表記もあり、私はロハスをしますという意味も込められているのです!

社員がたまたま放った言葉がそのまま商品名に起用されるなんて、すごい偶然ですよね。もし「すー」がなかったら、いろはすのヒットもなかったかもしれません。

いろはすヒットの秘密

1. 激化するミネラルウォーター市場

日本国内でのミネラルウォーターの消費量は1990年代から急激に伸びをみせました。しかし2000年代後半ミネラルウォーター市場は随分と伸び悩んでいました。そんな市場にメスを入れるために開発されたのが「い・ろ・は・す」でした。

「い・ろ・は・す」は、販売開始から97日で販売1億本を達成し、その売れ行きは留まるところを知らず、1年間で3億本、3年半でシリーズ累計20億本を突破する巨大ブランドに成長しました。「い・ろ・は・す」には何か仕掛けがあったのでしょうか?

2. いろはすは「エコ」で20億本売った

市場が停滞し始めた状況を打破するために打ち出したコンセプトは”おいしくて環境にいい、新しい日本の天然水”でした。そう!エコを売りにしたのです。「い・ろ・は・す」のボトルは従来の自社製品のボトルに比べて40%の軽量化に成功しています。

ラベルは剥がしやすい"巻きラベル"にし、2010年4月からはボトル素材にプラントボトルを採用しました。プラントボトルとは再生可能な植物由来の原料を使用しており、石油由来原料の使用を20%削減しています。さらにただ軽いボトルにするだけではなく、店舗まで発送するとき消費者がボトルを開けるときや、持ったときにボトルが外圧に耐えられるような設計にもこだわりました。

「い・ろ・は・す」の水を飲み干したら、まずボトルをしぼりたくなりませんか?この「しぼる」という発想も、ボトルの軽量化の過程で「こんなに軽いのだから潰しやすいのでは」と偶然発見されたものでした。

「いろいろな人にこのボトルはすごい、今までの半分くらいまで軽量化して資源を削減したと説明すると、頭では理解していても何か他人事のような感じなんです。でも空ボトルをしぼった瞬間に、40%軽量化したという意味を一瞬で分かってもらえる」
(引用:いろはす「しぼれるボトル」が生んだ体感できるエコ効果 :日本経済新聞

ボトルをしぼった瞬間にエコが体感できる、発売時のCMで植え付けた強烈な「い・ろ・は・す」のイメージがこれだけの売り上げに繋がったのです。

確かにいろはす飲んで潰しただけなのに、なぜか良いことをした気になりますよね。これが癖になっていろはすを選ぶ人が後をたたないのかもしれません。

(Photo by:いろはすトマトの味は美味しい!感想や発売日がいつかを紹介! | 星々の煌めき)

まとめ

このように普段私たちが口にしている製品には、様々な思いが込められているのですね。また、ふとした瞬間に舞い降りたアイデアが製品のネーミングや売り出し方につながるということも意外でしたでしょうか。

しかし、このようなヒット商品を生み出すために、いいアイデアがスムーズに次から次へと出てくることは少ないのかもしれません。考えが煮詰まってきたときでも、諦めずに真摯に問題に向き合っていればきっと道が開けてくる、そう励まされるエピソードでした。

(Title Photo by:い・ろ・は・す×プロダクトデザイナー・アーティストによるアップサイクル作品 )

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安井一輝

著者:安井一輝

茨城県出身の某国立理系大学に通う3年生です。空いた時間の大半は音楽サークルの活動をしています。紅茶集めやカフェ巡りが趣味です。インパクトのある記事を日々みなさんのもとへお届けすることをモットーに、2015年2月からt-newsWebライターをやっています。みなさんの楽しい大学生活をサポートできれば嬉しいです!