• バイトあれこれ
  • 2015/03/14

スタバの店員さんに電撃インタビュー!居心地のよさを生み出す「サードプレイス戦略」とは?

はじめに

朝仕事に行く前、気合を入れるために、ちょっと友達とおしゃべりをするために、学校帰り頑張った自分へのご褒美に―。多くの人がさまざまな場面で利用するスターバックス。

どことなく他のコーヒーショップとは違う居心地の良さがありますよね。それは気のせいではなく、スタバが「カフェ」ではなく「サードプレイス」だからなんです。一体どういうことなのでしょうか?今回は、スタバが居心地の良い空間を作るためにしている工夫をご紹介します!

スタバの秘訣は「サードプレイス戦略」にあった



Photo by Hayato.D

なぜスタバは「居心地」が良いのか?

スターバックスの居心地の良さ。その要因は一体何なのか。まず、スターバックスのポリシーから探ってみましょう。

One Stores
自分の居場所のように感じてもらえれば、
そこはお客様にとって、くつろぎの空間になります。
ゆったりと、時にはスピーディーに、
思い思いの時間を楽しんでもらいましょう。
人とのふれあいを通じて。
(OUR STARBUCKS MISSON|スターバックスコーヒージャパンより) 

「くつろぎの空間」として、「自分の居場所」のように、つまり人々の「サードプレイス」であろうとスターバックスは考えています。サードプレイスとは、ファーストプレイスを家、セカンドプレイスを職場(学校)としたときにその中間地点の場所のことであり、憩いと交流を提供する場所のことです。つまりスターバックスはただのコーヒーショップとしてではなく、憩いの場としての役割を担おうとしているわけです。

スターバックスはこのようなアドミッションポリシーも掲げています。

To inspire and nurture the human spirit
One person, one cup, and neighborhood at a time
人々の心を豊かで活力のあるものにするために―
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから
(OUR STARBUCKS MISSON|スターバックスコーヒージャパンより
) 

ここからわかるようにスターバックスの最終的な目標はおいしいコーヒーを届けることではなく、人々の心を豊かにすることなのです。おいしいコーヒーを作るのはもちろんのこと、さらに人々の心理的な充足感をもたらすことを目指す。ここにスターバックスの居心地の良さの要因があります。

「サードプレイス」を創出するために

では具体的に、スタバはサードプレイスを創出するために何をしているのでしょうか?スタバで実際に働く人にインタビューしてみました。

いままで経験してきた思い出に残るような店員さんの接客とそのときの自分の喜びはどんなものだったか、逆にどんなことがいやと感じたかを念頭に置いていまずサービスをします。また自分の経験だけでは一般的なお客さんの立場にはなれなません。なのでほかの職場の仲間の良いサービスだったり経験を聞き、共有しあったりしています。
(ららぽーと船橋店ジョニーさん) 

なるほど、お客さんの居心地の良さを自分ごととして考えられるように、自分や仲間の経験を活かしているんですね。やはりスタバの居心地の良さは細かい気配りにあるようです。ただ淡々と注文を受け、コーヒーを作っているだけではないのですね。

机やテーブルも居心地の良さを生み出すために、木目調の茶色いおしゃれなテーブルになっており、座り心地の良いソファなども置かれている店舗も少なくありません。それだけではなく、さらにスタバのイメージカラーといえば緑色と茶色。自然を想起させるこれらの色には色彩心理学的に落ちつかせる効果があります。さすがスターバックス。サービスが細かい!

さらに、スタバが工夫をしているのはスタッフの働き方だけでなく、「制度」にもあるんです。それが、「直営店」であること、なんです。

「直営店」であるからこその充実した研修

 
Photo by MIKI Yoshihito

落ち着ける場所を作り出すには、さまざまな要素が必要です。おしゃれな外装、居心地の良い内装、そして気さくな店員さん…。これらの要素を全て達成するために、スタバは全店を「直営店」として運営しています。

直営店とは?

直営店とは「本部が直接運営する店舗のこと」です。ちなみにそうではない店舗をフランチャイズ(「直営店を手本とし、展開された店舗のこと」)と言います。つまり直営店の方がフランチャイズ店よりも本店に近いということです。その点は特に研修に如実に表れています。研修についても、実際に聞いてみました。

研修はとても充実しています。初期研修だけではなく、グレードが上がってもその都度研修があるので初心に帰る機会を得れてしっかりと自分を見直すことが出来ます。覚えることもたくさんで毎日が繁忙期なのでついていくのが精一杯になります。果てしなく学びが多い仕事です。しかしほかの会社の研修に比べて細かい配慮が届いていて成長しやすく研修は整えられています。そのため責任感のある人が多く、学生でも年下でもしっかりしている人が多いです。
(ららぽーと船橋店ジョニーさん) 

やはり研修の手厚さが個々の店舗でもしっかりとした店員を育ていることにつながっているようです。これも直営店であることの強みでしょう。またアルバイトをする人目線であれば、直営店であることで職の安定性を得ることが出来ます。フランチャイズ店ですとそのお店がつぶれてしまったら職を失ってしまいますが、直営店であれば、ほかの支店に移ることが出来ます。これも直営店ならではの強みですね。

まとめ

スターバックスのあの居心地の良さは、直営店であることから来ていると言えるでしょう。やはり店舗1つ1つにしっかりと充実したバックアップがあるのは直営店ならではですね。自分のアルバイト先を探すときには、「研修が充実しているか?」「バイトでも創意工夫できる環境か?」、さらには「直営店なのか?」などなど、さまざまな視点から自分の働く場所を考えるのもいかがでしょうか。

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すみやん

著者:すみやん

2014年11月からt-newsWebライターとして活動中。東京大学に在学中であり、大学では哲学について学んでいます。哲学と現代社会の繋がりを考え、その接点として道徳教育に関心があります。t-news以外の場でも執筆を行っており、現在はエピニオ(http://epinio.jp/)というメディアで教育について論じています。t-newsでは読者さんにとっての「働く」と「学ぶ」の重なりを増大させることを期待した記事を書いています。