• 2013/08/19

コミュニケーション上手になりたい!テーブルトークRPGを遊んでみよう

楽しいおしゃべりの上達に!テーブルトークRPGとは?

大学生活や就職活動、もちろん社会に出てからも、どうしても必要になってくるコミュニケーション能力。「おしゃべりが苦手…」「いつも気を遣いすぎちゃって疲れる…」「つい喧嘩腰になっちゃって…」と、苦手意識の強い方も結構いるのではないでしょうか?そんなあなたにオススメなのがTRPG(テーブルトークRPG)という卓上ゲームです。数人の友だちと、メモ用紙と筆記用具、それからサイコロ。たったこれだけのアイテムで、ゲーム機で遊ぶRPGのようなワクワクする世界を楽しめてしまいます。その上、コミュニケーションの練習にもなるとしたら…ちょっと試してみたくなりませんか?

TRPGって何?

TRPGとは、アメリカの「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」にはじまる、対話型のロールプレイングゲームです。最近では「クトゥルフ神話TRPG」や「ソード・ワールド2.0」などが有名でしょうか。2012年にアニメ化もされたライトノベル「這いよれ!ニャル子さん」は「クトゥルフ神話TRPG」や「クトゥルフ神話(H.P.ラヴクラフト作のホラー小説群)」をモチーフにしています。
TRPGを遊ぶ際には大抵の場合、複数人のプレイヤー(PL)と1人のゲームマスター(GM)に分かれ、GMがゲームの進行や物語を司ります。言い換えれば、RPGの勇者やその仲間たちがPLで、ゲームソフトがGMということになるでしょうか。この記事では、筆者の友人2名にPLをしてもらって一緒にこのゲームを遊びながら、GMの立場から遭遇する問題について、私自身頭を悩ませたこと/成長につながったことをご紹介していきます。 

ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本語版公式ホームページ 
Call of Cthulu roleplaying(「クトゥルフ神話TRPG」英語公式サイト) 
ソード・ワールド2.0 富士見書房公式ホームページ

今回遊ぶのは、そのシンプルさが特徴的な「ファイティング・ファンタジー」というシステムです。ただし、自作ルールをいくつか作っていますのでご了承ください。必要なサイコロ(以下、ダイスと表記)は一般的な6面のもののみ。GMはある程度のことを把握していなければいけませんが、ルールは簡単そのものですし、PLはよく登場するいくつかのダイスロール(サイコロを振って、成否判定をすること)以外には細かいルールを覚える必要はありませんので、TRPGなんて聞いたこともない!見たこともない!という読者の皆さんもご安心ください。

The Official Fighting Fantasy website(「ファイティング・ファンタジー」英語公式サイト)
ファイティング・ファンタジー基本ルールブック(Amazon)

TRPGをやってみよう!

本編の登場人物

  • せい…この記事の筆者で、GMを務める。普段からPLよりGMをすることが圧倒的に多い。
    さちこ…友人1。アツいプレイが長点で、気づくと主人公的立ち位置にいる。但し暴走しがち。
    一郎…友人2。女の子でさえあれば誰でも一生懸命助けようとする。プレイには真摯。

キャラクター作成

(今回のゲームを遊ぶ3人が、Skypeのチャットルームにログインする。)

せい  それじゃ、今日はキャラ作をやっていきますどんどんぱふぱふ。

さちこ一郎  どんどんぱふぱふー。

せい  スカイプセッションなんでキャラシは配布できないから、各自メモは取っておいてね。

さちこ一郎  はーい。

せい  システムは「ファイティング・ファンタジー」。ルールが超カンタンなのと、ルルブがPLにルールを細かく教えることを推奨していないんで今ここで詳しい説明はしません。使うダイスは6面だけです。まずはステータスを決めよう。今から言うとおりにダイスを振ってください。技量値、知識値、運勢値は2D6、体力値は2D6+12でどうぞ。振り直しは3回までね。

  • *解説*
  • キャラ作…キャラクター作成。自分の分身となるキャラクターの、体力や知識をダイスで決める。
  • スカイプセッション…PC上でチャットができるSkypeを利用してのセッション。スマートフォンからも アクセスできたり、フリーソフトを使えばダイスを振ることもできて便利。
  • キャラシ…キャラクターシートのこと。自分のキャラクターのステータスを書いておく紙。 
    ルルブ…有名な旅行情報誌、ではない。ルールブックのこと。 
  • 6面ダイス…一番一般的な、立方体のサイコロ。TRPGでは他に10面や8面を使うこともある。
    2D6…6面のダイスを2個振るよ、という意味。4D10なら、10面を4つという意味になる。
    振り直しは3回まで…余りにも酷いステータス(全部1とか)が出た時に、やり直していい回数。先に宣言しておくと、何かとトラブルがない。 

せい  じゃ………。(どうぞ、と言ったつもりだった)

さちこ一郎  ………。(沈黙&待機)

せい  ………。あれっ。なんで誰も振らないの?

さちこ  あ、振ってよかったの?じゃあ言ってよ(笑) 振るね。まずは技量、2D6…っと。(コロコロ) 9が出たよ。

せい  2D6の平均はだいたい7くらいだから、9はそこそこいい方だね。

さちこ  よしよし。次は知識、2D6…(コロコロ) あちゃ、5だった。
      で、運勢も2D6…(コロコロ) うわあ、こっちも5だ!

せい  手先だけやたら器用だな。

さちこ  最後、体力、2D6!えい!(コロコロ) ろ、6…。

せい   12を足して体力値が18か。平均的に中の下、剣の扱いだけがかなり上手いって感じのキャラだね。

一郎  ふっていい?

せい  いいよー

一郎  よし、じゃあ技量から!2D6!(コロコロ) 5。なかなかいい目が出ないなー。
     知識ー。(コロコロ) 7。平均くらい?
     運勢ー。(コロコロ) 9。運がいいキャラっぽい。
     体力ー。(コロコロ) 6。さっちゃんと同じで18かな。 

さちこ  (あ、一郎の方が合計値が2だけ高い…)

せい  良い感じに得意分野を分散してくれたっぽいね。

さちこ一郎  決まりましたー。

せい  了解。一旦見せてー。

さちこのPC
技量値9 知識値5 運勢値5 体力値18
一郎のPC
技量値5 知識値7 運勢値9 体力値18

せい  OK。じゃあ、これを踏まえてパーソナルデータを決定してください。職業は剣士か魔法使いで。と言っても、剣士は技量値が高い方が有利だし、魔法使いは知識値が高い方が有利だから、もう決まったようなものだけどね。

一郎  俺はちょっと頭足りないけど、運でなんとかやってけるって感じの魔法使いか。

さちこ  じゃあ、こっちは剣士で。

せい  まあそうなるよな。で、ふたりともとある村の住人になってもらうんだけど、イメージしやすくするために、ちょっと描写文入れます。舞台は、よくある無国籍の中世ファンタジーって感じね。

君たちふたりは、大陸の隅っこの小さな村に住んでいる年頃の若者だ。
村は森と山とに囲まれ、豊かだが華美ではない、自給自足の穏やかな暮らしを送っている。
平和だが、若い君たちにはちょっと退屈で、つまらないところかもしれない。 

せい  そんなイメージでキャラ作してみてね。わからないことあったら聞いて

  • *解説*
  • じゃあ言ってよ…ゲーム中に限らず、伝わっていると思っていても、案外伝わっていないことが多い。頭の回転が速い人に多い、のだとか。思ったことは不精をせずにちゃんと言おう。
    2D6の平均…ダイス目は確率なので、「期待値」というやつを平均として考えます。2D6の期待値は7らしい。しかし、筆者は驚くほど数学が苦手なので、ここでの細かい解説は控えさせてください…。
    PC…パソコンのことではない。プレイヤーキャラクターの略で、PLが扱うキャラクターのこと。
  • パーソナルデータ…名前や年齢、性別や容姿など。ステータスには直接関係のない設定。
  • 描写文…GMによるナレーションのこと。あらかじめ文章を用意しておくことも多い。ちょっと仰々しく、もったいぶった言葉遣いをしてみると、グッとPLを惹きつけられる。かもしれない。
  • わからないことあったら聞いて…大事な一言。PLが設定を決めてしまった後で「それは駄目だから、変えてくれ」と言うのは結構勇気がいるので、最初に質問してもらおう。

一郎  これって、若者限定?

せい  何したいの?

一郎  おっちゃんしたいおっちゃん

せい  おっちゃんかー…うーんいいけど、田舎の村からホイホイ旅に出られる感じの人にしてほしいから…独身で。

さちこ  どくしん

一郎  独身だね!!!!

せい  しかもドジっ子魔法使いだろ…

さちこ  ドジなおっさんって…

せい  ともあれ、それなら許可しよう。キャラの方向性とシナリオとの兼ね合いはお前が責任持てよ

一郎  はーい。

さちこ  あ、こっちは王道な感じで、青年にする。

せい  おっさんと青年のコンビか…相変わらず女の子成分はNPCで補填しないといけない感じですね

一郎  花がないな。

せい  誰のせいだよ魔法使い(笑)

さちこ  一瞬剣士を女の子にしようかと思ったけど、この流れで女の子って普通すぎて癪だからやめた。

一郎  じゃあドジっ子魔法使い女の子にする?

せい  いいよそのままで。面白そうだし(笑) じゃ、名前とか、村での立場とか、ふたりの関係性なんかも決めちゃってください。

  • *解説:想定と違うキャラ作*
  • 何したいの?…質問の意図が掴めない時に便利なフレーズ。だって、「若者限定?」に対して「いや、こだわらなくていいよ」と答えたとして、相手がもしお婆ちゃんのキャラクターにしてしまったらものすごく困る。 でも、おっちゃんのキャラくらいなら、別に許容範囲なのだから、「若者以外は絶対ダメ!」と突っぱねる理由もない。場合によって質問への返答が変わるときには、具体的に何を許可してほしいのか、しっかり聞いてから答えよう。
  • 田舎の村から~…具体的に、どうして若者にしてほしいのか少々ネタバレになっても伝えておく。旅立つ段になって、「いや、このキャラは結婚していて妻を愛しているので、絶対に旅立ちません」と言われたのではどうしようもない。
  • ・ お前が責任持てよ…言い方が乱暴なのはご愛嬌として、「多少の無理を通して好きな設定を決めたのだから、少し大変でもシナリオにはちゃんと協力してね」という意味。これも先に言っておくと、「いやこのキャラは◯◯だから~」をある程度防げるので便利。
  • *解説*
  • 相変わらず…このメンバーで卓を囲むと、何故かいつも男だらけになってしまうのだ。
  • NPC…ノン・プレイヤー・キャラクター。PLが扱うのがPC、そしてGMが扱うのがNPC。

一郎  今パッと考えた感じではおっちゃんは地元の村のパン屋の息子(32)でいい加減嫁もらってこいと尻蹴っ飛ばされて旅に出たりぶらぶらしたりする系おっさんなんだけど。

さちこ  全然おっちゃんじゃなかった件。

せい  32がおっさんはないわ

一郎  軽めにしてみた。旅に出るなら体力ないと(笑)

さちこ  青年は28歳で、素敵な嫁を密かに募集中。

せい  意外と歳近いなお前ら。

さちこ  片方がおっさん詐称してるだけだって。

一郎  自分でも若いかと思ったけどさあ。30代って呼び方困らん?

(以下、しばらく続くおっさんトークは割愛…。)

さちこ  こっちは馬とか牛とか飼ってる牧場の息子で。いいかな?

せい  トワプリンク把握。

さちこ  リンクはかっこいいよね。

一郎  鶏なしのロンロン牧場

さちこ  じゃあ鶏もつけるか(笑) 牛乳とか卵売ったり、馬は運搬用で。

せい  名前は?

さちこ  イの付く名前で

一郎  エの付く名前で

せい  いいから早く決めて(笑)

イヴァン
剣士 男 28歳 PL:さちこ
技量値9 知識値5 運勢値5 体力値18
馬とか牛とか鶏とかを飼ってる牧場の息子。素敵な嫁を密かに募集中。
エトワール
魔法使い 男 32歳 PL:一郎
技量値5 知識値7 運勢値9 体力値18
パン屋の息子。好物エッグタルト。いい加減嫁もらってこいと尻蹴っ飛ばされて旅に出たりする。

さちこ  いつもパン買いに行っていい?

一郎  いいよー。常連さんかな?こっちはこっちで牧場にミルク買ってったりとかしてるといいな。

せい  えーと、牧場のイヴァン(28)とパン屋のエトワール(32)ね。それじゃあ時間も時間だし、シナリオを進めるのは次回にして、今日はこの辺でお開きということで。お疲れ様でした

さちこ一郎  お疲れ様でしたー。

  • *解説*
  • トワプリンク把握…「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」というWiiのゲームソフトに登場する主人公リンクのこと。トワイライトプリンセス=トワプリのリンクだからトワプリンク。イケメンの好青年で、今回のイヴァンのようにファンタジー世界の田舎の村で、馬に乗ったり山羊を追ったりして暮らしている。
    ロンロン牧場…同じく「ゼルダの伝説シリーズ」に登場する牧場。たいてい、馬と牛と鶏がいるので、イヴァンの牧場もそれに倣って鶏が存在することになった。こういうネタは、仲間内で通じるなら、積極的に使っていくと面白いかもしれない。筆者はこういうの結構好きです。
    お疲れ様でした…これまた大事な一言。友人同士でそんなの面倒だと思うなかれ、挨拶してきちんと場を〆るだけで、案外、卓の雰囲気もまとまったりするもの。 

まとめ

テーブルトークRPG、いかがだったでしょうか。まずはキャラクター作成というところで、実際にゲームは始まっていませんが…。「何かあったら聞いてね」「何がしたいの?」…などなどのように、「あとあとのトラブルを防ぐため、しっかり確認しておく/予防線を張っておく」ということがまず今回のポイントです。「想定と違うキャラ作」のように、予想しなかったことをたくさん質問されますが、これに適当に答えてはいけないのです。日常の会話でも、「ん?」と思ったけどなんとなくなあなあにしてしまって、後で食い違っていたことがわかった、トラブルになった…などということが起こりますよね。ちょっとでもおかしいな?と思ったらまずは確認してみること。困った時にはどうするか、きちんと前もって決めておくこと。基本的ですが、とっても大事なことでもあります。これを怠ると、最悪、ゲームが成り立たなくなってしまうことも…。
さて、次回はこのメンバーで、いよいよTRPGのシナリオを遊んでみましょう。いったいどんな無理難題が飛び出すやら。皆さんと一緒に楽しんでいけるゲームを目指しますので、どうぞよろしくお願いします。

  • 記事執筆:せいちゃん
  • 都内の大学で日本語・比較文学文化などを勉強中。
  • 最近の趣味はTRPGという卓上ゲーム、地元では中学生の頃からボーイスカウト活動を続けています。