はじめに
毎年波瀾万丈の展開をみせ、「情報戦」とも揶揄される東京大学進学振り分け。読者の皆さんの中にも、思うように情報を得られず苦戦した人もいるのではないでしょうか。
今回は、この「進学振り分け」をくぐり抜けた東大3・4年生以上の皆さんから多数アンケートを頂きました。進学した理由は何か、進学後何をしているのか、など、普段では得られないような生の声を多数特集します。これから進振りを向かえる東大前期課程の皆さん、既に進学した皆さんの他、「実際あの学部ってどうなの?」って思っている他大学の皆さん、是非今回の記事を見ていって下さい。
今回は、理系最高峰とも名高い!多くの医学者や大学病院を擁立する医学部の紹介です。
医学部
- 東京大学医学部の目的は生命科学・医学・医療の分野の発展に寄与し、国際的指導者になる人材を育成することにある。すなわち、これらの分野における問題の的確な把握と解決のために創造的研究を遂行し、臨床においては、その成果に基づいた全人的医療を実践しうる能力の涵養を目指す。
(引用元:http://www.m.u-tokyo.ac.jp/information/mokuteki.html) -
東大医学部には医学科と健康総合科学科があります。その概要を説明します。
医学科の目的は医師養成であり、医師の中でも研究医を養成することが大きな目標です。基礎医学(ガンの研究、免疫やアレルギーの研究、脳の研究など)、社会医学(医療倫理学、統計学、医療経済学、公衆衛生学など)、臨床医学(難しい疾患の新しい診断法、治療法を作り上げること)のそれぞれの分野で、新しい発見をし、世界に情報発信できる様、私たちは目指しています。
健康総合科学では、健康の維持、病気の予防、看護、介護などについて学びます。「毎日を健康に、元気に楽しく暮らす」、これは世界中のすべての人々に共通の課題です。日本の平均余命が世界一になったのは、どうしてでしょう?それには「健康」にかか わるさまざまな問題を見出し、解決して行く「ヘルスサイエンス」の進展が大きく貢献しています。これには先端科学の多様な分野からのアプローチが必要です。健康総合科学科では生命科学・行動科学・社会科学・情報科学など医学に関する基礎研究から、その成果をふまえ、回復力・治癒力を引 き出す臨床科学としての看護学まで幅広く最新の「ヘルスサイエンス」を学ぶことができます。
医学科は理3(100名)から97名、理2から10名、その他の全科類から3名をとり、合計110名となります。健康総合科学は理系、文系のいずれからも最大40名の進学が可能であり、2年間の成績が優秀で、かつ、医師を希望する人には医学科への編入制度も用意されています。
(引用元:http://www.m.u-tokyo.ac.jp/daigakuin/apply/message.html)
進学理由
満足度
やはり、進学理由の首位は「やりたい勉強・研究ができる」でした。医学部医学科に進学する人の多くは、前期課程で理科三類に入学しています。入学は理系の中でも最高峰の難易度であり、受験時に強い意志を持って臨んだ人が多い様子が伺えます。また、満足度が4.1、充実度が4.2と他の学部に比べて高いのが特徴的です。強い意思を持って進学した大学の学部だからこそ、満足を感じている人が多いと言えそうです。医学部は忙しいとよく耳にしますが、意外にも忙しさは2.4と低い結果でした。これも、自分の興味のある分野を突き詰めている分疲れにくい、ということなのかもしれません。
まとめ
医学部の紹介はいかがでしたでしょうか。特に医学科は、理科三類以外からの進学は狭き門ですが、やはりその分進学してからの満足度は高いという結果が出ました。実際には忙しくとも、あまり忙しさを感じないほどに充実した学問の世界が広がっているのかもしれません。また、学科別の記事では、医学科と健康総合科学科を別々に特集しました。お医者さんになるのはちょっと…、という方にも、目を通して頂ければ幸いです。
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記事執筆:めがね
都内某大学の1年生で、将来は法学部に進学します。トモノカイの学生スタッフとして働いています。
活字を読むのが好きで、お菓子のパッケージもじっくり読んじゃいます。