- 大学生活
- 2025/05/22

東大生発の学生メディア「東大メディア」代表インタビュー
大学生活には、学業はもちろん、仲間との出会いや新しい挑戦する機会にあふれています。
特に新入生の方は、これからの大学生活の過ごし方や目標の見つけ方を模索している人もいるでしょう。
本記事では、東京大学や一橋大学、東京科学大学の学生向けメディアで有益な情報を発信している、学生団体「東大メディア」の共同代表、松村卓和さん(東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻 修士2年)、廣田健人さん(東京大学大学院農学生命科学研究科 水圏生物科学専修 修士1年)のお二人にインタビューをしました。
活動を始めた経緯や今後の展望、自身のアルバイトでの学びなど、同じ学生の立場から語られるリアルな言葉には、多くのヒントが詰まっています。
学業と学生団体としてのメディア運営活動の両方に真剣に取り組むお二人の姿は、ひとつのロールモデルとして参考になるはずです。
自分自身の大学生活を有意義に過ごすヒントとして、ぜひお読みください。
(取材・文・写真=t-news編集部)
左:松村卓和(まつむら とわ)さん 右:廣田健人(ひろた けんと)さん
お二人について
――松村さんと廣田さんは東大メディアの共同代表ということで、どのように出会ったのでしょうか?
廣田さん:じつは僕たちは、高校の同級生なんです。
松村さん:出身が熊本県なんですが、そのまま進学先も同じ東京大学で。気心の知れた仲なので、現在一緒に活動していて安心できます。メディアを運営していると忙しい時期もありますが一緒に乗り越えて、帰省のタイミングも重なることもありますね(笑)
東大メディアの活動について
――東大生向けの「東大メディア」、そのほか一橋大学・東京科学大学の学生向けメディアを運営されていますが、くわしく活動内容をお聞かせください!
松村さん:SNS、特にInstagramを中心に、学事情報はもちろん、おすすめの授業など各大学の役立つ情報を発信しています。
メディアを運営するうえで「親しみやすさ」を大切にしており、学食の割引などのお得情報や奨学金制度なども紹介しています。大学1年生から大学院生まで、幅広い層にとって有益な情報を意識して発信しています。
廣田さん:ほかにも、Xでは新入生が迷わないように履修関連の情報などを紹介しているほか、2025年3月に立ち上げたウェブサイトでは、空いている自習室を検索できる機能や授業の口コミ情報など、便利な機能を揃えています。
松村さん:ウェブサイトでは、授業の口コミを現役生から集め、それを自動で投稿する仕組みを組んでおり、コンテンツや機能をSNSと上手く使い分けています。じつは、サイトの立ち上げには中学時代の友人が協力してくれており、周りの仲間に助けられながら一緒に作り上げていきました。
東大メディアのウェブサイト
https://todaimedia.com/
――いつから活動をしていて、どのような運営体制なのでしょうか?
松村さん:2024年1月に開設した東大メディアのInstagramアカウントを開設したことから活動は始まりました。開設当初は、とにかく有益な情報をたくさん発信しようということで、リサーチしてはデザインに落とし込んでは投稿、という日々でした。2人ともデザインが得意ではなかったので、一つの投稿を作成するのにかなり時間がかかっていましたが、徐々にフォロワーも増えていき、それがモチベーションになっていました。
現在(取材時:2025年4月)、Instagramのフォロワー数は5,000名以上になり、多くの在学生に見ていただいております。
廣田さん:東大メディアは僕たちを含め、計9名で運営しています。一橋大・東京科学大の運営メンバーを含めると16名で活動しています。
松村さん:初めは東大メディアのみを運営していたのですが、僕たちの活動を知った高校時代の同級生が「自分たちの大学でもやりたい」と言ってくれて、それで一橋大生向け、東京科学大生向けにも広げることになりました。
友人が卒業してもその友人の後輩が引き継いでくれて、それぞれ自走しながら運営しています。
――地元熊本の仲間により、メディア運営が他の大学にまで広がっているのですね!
――この活動に取り組む思いやきっかけなどをお聞かせください。
松村さん:自分たちが大学生活を送る中で感じた不便さやそこから「こんなサービスがあれば役立つだろうな」と思うことがあり、それが活動の開始やサービスをつくるヒントになっています。
構想ができれば、あとはそれをどう形作っていくかという問題になるので、他の大学が実施しているサービスやUIなどを参考に、自分たちだったらどんなものを作れるか、参考にしながら取り組んでいます。
たとえば、履修する授業を決める際、「テストがある授業よりもレポート提出の授業を選びたい」というニーズがある場合、シラバスや周りの評判だけでは、探しづらいことがあります。
そこで、ウェブサイトで展開している授業の口コミでは、口コミを投稿してもらうときに、「テストがあるのか、レポート提出なのか」を選択肢に含めるなど、学生だからこそ気になるポイントを収集し、口コミとして可視化できるように工夫しています。
これにより、自分に合った授業を見つけることに役立っていると思います。
アルバイトの経験について
――ところで、お二人は日々忙しく活動されていますが、どのようなアルバイトをされていましたか?
松村さん:家庭教師と塾講師を経験しました。ほかにはお茶漬け屋や居酒屋での経験もあります。現在でも企業のSNS運用のアルバイトと家庭教師を続けています。
廣田さん:最初は塾講師を経験し、その後、家庭教師と居酒屋を掛け持ちしていました。現在は、松村と同じ企業のSNS運用のアルバイトを時々しています。
――さまざまなアルバイトを経験した中で、家庭教師や塾講師についてどう感じましたか?
松村さん:大学1年生から現在まで家庭教師を続けており、これまでに5人の生徒を担当しました。人と近い距離で関わるのが好きなので、生徒との距離が近い家庭教師は自分に合っていると感じています。生徒や親御さんとも本当に仲が良いので、「仕事」という感覚を感じないほどです。生徒の成績が上がると、自分自身も達成感を感じられます。
廣田さん:ほかのアルバイトと比べると短時間なので、ほかの活動と両立しやすいのが良いなと思います。大学1年生のころに塾講師をしていましたが、今まで勉強してきたことをそのまま活かせるので、最初に経験するアルバイトとしてはやりやすいと思います。
――教育系のアルバイト経験が現在の活動に役立っていることはありますか?
松村さん:家庭教師では最初の体験授業で自分をアピールしたり、親御さんとの調整ごとがあるので、初対面のコミュニケーションを取るうえでの良いトレーニングになりました。
指導経験を積み、担当生徒の受験まで残り1か月に迫ったあるとき、親御さんから受験対策を相談された際にも、二人で話し合わずに、生徒も交えて、今どこに不安を感じているのか三者で話しながら本質を探るようにしました。
東大メディアでは、企業からの依頼に対応することがありますが、依頼主の要望を理解し、適切な対応を考えることは家庭教師にも通じる点があるので、現在の活動においても非常に役立っています。
廣田さん:教育系のアルバイトでは「先生」と呼ばれるので、初めて一大人として扱われます。最初の体験授業ではしっかり自分を売り込む必要がありますし、いざ生徒を受け持つと授業のスケジュールを立てるので責任が伴いますが、そうした経験は東大メディアでの活動にも役立っています。
家庭教師は自分で対応していくことが求められますが、塾の場合は、上司がいて、また一定のルールがあります。そういった点では、塾講師は初めての方には安心かもしれません。
今後の展望について
――今後、取り組みたいことなど展望をお聞かせください。
松村さん:昨年は学生同士の交流会を行いました。その際、参加者から「どんな人たちがこのメディアを運営しているのか分からなかったが、安心した」という声があり、その後、参加者の中から、運営メンバーとして参画してくれた人もいます。今後も対面で交流できる機会はつくっていきたいと考えています。
「親しみやすさ」を大事にしているメディアなので、交流会はそれが伝わる良い場だと考えています。
廣田さん:このメディアを長く続けていきたいですし、今後も学生にとっての親しみやすさを大事にしたいと思います。
対面での交流会の開催を通して色んな方と知り合い、繋がりの大切さを実感しました。そうした交流の機会づくりを大切にしていきたいです。
――なにかお知らせしたいことがあればお願いします!
新しく立ち上げたウェブサイトでは、授業の口コミを掲載しています。間違いなく東大生には役立つ情報なので、ぜひ使っていただきたいです。
また、今後も新しいサービスを展開していく予定なので、ウェブサイトはぜひチェックしてほしいですね。
東大最大の授業口コミサイト「UT Reviews」
https://todaimedia.com/UTreview
また、東大メディアでは一緒に運営をしてくれるメンバーを募集しています!
webサイトやSNS運営、イベント開催など東大メディアの活動に興味のある方はぜひ一緒に活動していきましょう!
>> 応募フォーム
最後に
――学生生活をどう過ごすか迷っている人やなにか新しいことに取り組みたいと考えている人に、お二人の経験からメッセージをお願いします。
松村さん:興味を持ったことには、早いうちから参加することを勧めます。
僕たちは2023年3月末に、自分たち2人を含めた4人で、大学生を対象とした企業主催のハッカソンに参加しました。内容としては、消費者金融でお金を借りる人がきちんと返すことができるのか予測するモデルを作成するというものでした。参加の目的が賞金ではありましたが、このハッカソンへの参加をきっかけに、メディアを運営している方や起業している方と知り合うことができ、それが東大メディアの立ち上げへとつながっていきました。
やりたいことがあればすぐに始めると良いですし、興味がなくても結果的になにか次に繋がるので、何でも挑戦してみると良いと思います!
僕たちがハッカソンに参加したのは3年生と4年生のころでしたが、もっと早い段階から参加していれば、できたことはもっとたくさんあったと思います。
廣田さん:いろんな経験ができるのが大学生なので、1年生、2年生の時間があるうちは何でも積極的に参加してみると良いと思います。本当になにがきっかけで次に繋がるのか分からないので。動機は何でも良いと思います!
――本日は貴重な話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
t-newsのInstagramでは、今回インタビューに答えていただいた松村さん、廣田さんのリール動画も公開中!
ぜひこちらもチェックしてみてください。
▶▶t-news Instagram公式アカウント
■東大メディア
・Webサイト: https://todaimedia.com/
・Instagram: @univ_tokyo_media
・X: @todai_media
■一橋メディア
・Instagram: @univ_hit_media
・X: @univ_hit_media
■科学大メディア
・instagram: @science_tokyo_media
・X: @scitokyo_media
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