• バイトあれこれ
  • 2015/03/11

【法学部女子が語る】テレビドラマとは違った法律のセカイ

はじめに

「自分はもう将来やりたいことが決まっている!」という方はどれくらいいるでしょうか?“アルバイトをする”ことによって、自分の固定観念を破り、職業の幅を広げることもできるかもしれません。私は「法学部で法律に興味があるから法律事務所のアルバイトをしよう」と思い立ちましたが、そのアルバイトを通して自分の中の固定観念を取りはらい、職業の幅を広げることができました。「将来何すればいいのかわからない…」という人や、「私はこの職業に絶対就く!」と1つの志望にまっしぐらな人に、是非私の経験を通して、“気になる業界のアルバイトをしてみること”の重要性を知ってもらいたいと思います。

法律事務所バイトで身についた3つのチカラ

「アルバイト」というのは、社会に出る前に、社会人と同じことをして“働く”ということを体験する場であります。私は法律事務所でアルバイトをしていて、依頼人の電話対応や接客、書類作成などの事務作業を行っていました。

1.ビジネスマナーを踏まえて年上の人と話す力

法律事務所において、一緒に働くのは自分の両親と同年代の方たちです。その場所では、“ビジネスマナーを前提として、目上の人とどう接するか”という点を意識して、コミュニケーションをとるようになりました。

例えば弁護士の人が話しかけてきたときには失礼にならないよう立ち上がって話すことや、敬語の使い方、接客、案内の仕方などをこのアルバイトを通して学びました。その他、突然外国語での電話がかかってきたり、怒っているお客様やクレームの対応をしたりと、本だけで勉強していても身につかない経験、そして、それに対応する能力を身につけました。マナーを“机で勉強する”のではなく、“職場で勉強する”ことが必要だと感じることができました。

2.刺激を受けたスキルへの意欲

また、実際に弁護士や事務員として働いている人たちを間近に見ることによって、「自分のできることをさらに増やしたい」という意欲が生まれました。

敬語の使い方やビジネスマナーなどを一から全て教えてくれる職場はほぼありません。そこで、依頼人や弁護士に失礼な態度をとることのないようにと、私は自ら、秘書検定の勉強を始めました。また、法律の知識をより増やし、作成できる書類を増やしたいと思い、行政書士の資格の勉強も始めました。このように、実際にアルバイトをすることによって社会人から刺激を受け、自分のスキルアップやモチベーションアップにつながりました。

3.法律事務所の看板を背負う責任感

そして私は、「私はアルバイトとして法律事務所の看板を背負っているんだ」と責任感を持って業務に取り組むようになりました。

法律事務所には、相談のために依頼人が1日に何人もいらっしゃいます。その方々からすれば、弁護士であってもアルバイトであっても関係がありません。もし私1人でも失礼な態度をとってしまったり、敬語やマナーが全くできていなかったりするようなことがあれば、その法律事務所の信頼を失うことになります。自分はアルバイトだから仕方がないなどという言い訳は、依頼人に対して全く通用しないのです。責任感というものは、社会の一員として必ず持っていなければなりませんので、大学生のうちに責任感を持って意欲的に行動した経験をしている環境に身を置けて良かったと思っています。

「この職業がいい!」だけはもったいない!?

弁護士と言えば、「ずばりエリートでお金持ち!」「ドラマみたいに華やかでかっこいい世界なんだろうな」というイメージを持っている人もいるかと思います。私もドラマを見て漠然と法律に興味を持ち、“法学部=弁護士”という考えで、弁護士を志望して事務所のアルバイトを始めました。でも、弁護士という職業は、そのような華やかな世界ではないのだなということを実感しました。弁護士の方々が夜遅くまで働き、出張やクレーム対応をする姿や常に医学や経済、商業など新しいことを勉強していた姿を見て、弁護士という職業は、そのような華やかな世界ではないのだなということ」「法律のスペシャリストというだけでは、弁護士は務まらない」ということを感じました。


(画像参照:ぱくたそ

そして同時に私は、事務所で働くパラリーガル行政書士秘書の皆さんを目の当たりにしました。それぞれ法律が好きで働いているそうで、誇りを持って仕事をしていました。私はそれを見て、「“法学部=弁護士”“法律=弁護士”という考えは間違っていたのだな」と思いました。法律が好きであれば、それに合った仕事はいくつも存在し、そちらにも目を向けようと思い始めたのです。ここが、自分の固定観念が取り払われた瞬間でもありました。そして「その職業のことをあまり知らないまま、自分の将来を決めつけてしまうのはこわいことな」「その職業に就いてから、もっと選択肢増やして決めればよかったなと後悔したくないな」と思うようになりました。

パラリーガルとは、「弁護士の指示・監督のもと法律業務を行う法律事務専門職」で、弁護士のアシスタントとして、業務のサポートをすることが仕事です。
(出典:パラリーガルについて知る | パラリーガルWeb 

向いてる仕事を探すフィルターを持つ

これから将来を考える人には是非、“フィルタリング”をしてほしいと思います。まず、選択肢は全ての職種・業種を対象にします。その多くの中から、例えば自分は何に興味があるのかや、個人とチームプレイどちらが好きなのか、どのくらいのスパンで結果が出る仕事がいいのかなど、自分の軸を決め、どんどん絞っていくのが自分だけの適職への基準を持つ方法の一つの方法です。

(参考文献:ちきりん流・就活で失敗しない方法は?|自分のアタマで考えよう|ダイヤモンド・オンライン

私の場合、全ての業種・職種から、「法律に関わることがしたい」「短いスパンで結果が出るものがいい」「直接的に相手の役に立つことがしたい」という点でフィルタリングをすることで、将来の志望が固まりつつあるので是非皆さんにもおすすめしたいと思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「もう将来やりたいことが決まっているんだ!」という人はそれに向かって一心になれると思いますが、職業を絞りすぎるということは同時に、自分の未来の可能性を減らしていることにもなりえます。ですから将来のキャリアを決める際には、絞っている人こそ、希望業種に近いアルバイトをして体験し自分に向いているか判断してみることが重要です。“アルバイトをする”ことは、一足先に社会人経験を積むことができる上に、自分の将来へのスキルアップ、視野の広がりをもたらすものです。大学生のうちに、そんな絶好のチャンスを有効に活用してみませんか?

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chiaki

著者:chiaki

2015年3月からt-newsWebライターとして活動しています。現在慶應大学の法学部法律学科の3年生で、高校からの内部進学です。主に法律事務所でアルバイトをしています。大学生にとって有意義で、ためになるような記事を私の経験や知識をもとにたくさん発信していきたいと思っていますので、よろしくお願いします!