- バイトあれこれ
- 2024/06/11

偏差値30台から平均点へ!横国大生が語る学習メンターと生徒の成長ストーリー
「苦手を苦手のままにしない声掛け」横国大生メンターの声かけ術
今回は、現役の学習メンターとして活躍されている、横浜国立大学経済学部の小川のぞみさんにインタビューしました。メンターとして勤務する上で大切にしていることや、生徒さんへの想いをお聞きします。
学習メンターとの出会いが自分を変えた
小川さんはいつからメンタープログラムに参加しているのでしょうか。
学習メンターを始めたのは2020年4月、主に神奈川にある女子中高一貫校で活動しています。
自習室の運営を行っていて、それと同時に先生方から依頼された講座を行ったり、小論文の添削なども行っています。
大学では何を勉強されているのでしょうか。
もともと数学が好きで理系を志望していましたが、将来のキャリアがイメージできず、地域経済や公的機関に興味があったことから経済学部に進学しました。大学で金融を学ぶようになったのは、得意な数学を活かせると感じたのと、社会の出来事を論理的に考えることに面白さを感じたからです。
2022年には歴史的な円安が起こり、大学で学んだ理論とは異なる事態に少し戸惑いました(笑)。
塾講師とは違う、生徒に深く寄り添う仕事
学習メンターとして働いてみてどうですか?
生徒さんの勉強や進路の悩みを直接サポートできるのが、この仕事の魅力です。
私が受験生の時、予備校のチューターは雑談相手でした。学習メンターも、最初は塾講師のように指示されたことをこなす役割だと思っていましたが、実際に働いてみると、勉強の指導も進路のサポートも、生徒さんと深く関わる仕事だと気づきました。
学習メンターのプログラムは、大学生・大学院生が主体となって運営します。そのため、「どうすれば生徒が自習室に来てくれるか」
「どうすればより良いサポートができるか」
を常に自ら考え、行動することが求められます。
塾が最適な答えに早くたどり着くことを重視する一方で、学習メンターは生徒さんが自ら答えにたどり着くまでのプロセスを大切にしています。生徒さんの主体性を引き出す、という点に大きな違いがあると感じます。
苦手を苦手のままにしない声かけ
普段の勤務で大切にしていることは何でしょうか?
生徒さんに対しては、メンターと話した後にポジティブな思いをもってもらえるように意識しています。
『苦手を苦手のままにしないでほしい』という気持ちが強いです。例えば、苦手な科目でも『一つずつ段階を踏めば絶対に解けるようになるよ』と伝えて、最後にポイントをまとめてあげることで、生徒さんに『意外といけそうかも!』と思ってもらいたいんです。
ただポジティブになるからといって、私立文系を目指している受験生に数学をたくさんやってもらいたいと思っているわけではなくて。学校の定期試験の勉強をするときでも基本的に前向きな気持ちでその科目に向き合ってもらえるようになりたい、と考えています。
実際に国公立文系を目指している高校2年生の生徒さんの数学を指導をしていて、1年生のころは偏差値も30台しか取れなかったのが、今では全国平均を常に維持し続けるくらい頑張ってくれています。数学はどんどん難しくなっていく科目だと思うのですが、それでも前向きに取り組んでくれているのでとても嬉しいですね。
生徒さんと関係を築くために様々なことを考えながらプログラムを運営していますが、生徒さんを甘やかすのと寄り添うのは違うと思っていて。生徒さんが話すことは肯定し、絶対に否定することはないですが、メンターは先生でもなければ親でもない「ナナメの存在」であるということを常に意識しています。また、特定の大学や学部に対して余計なバイアスを与えないよう気を付けています。
自分が高校生の時に大学生が身近にいる環境は欲しかったですか?
すごく欲しかったです。
大学への敷居が高いと感じて、自分の可能性を閉ざしてしまった経験があるからです。
高校時代、自分の実力を知らずに『有名な大学は難しくて無理だ』と思い込んでいました。大学受験の仕組みや必要な科目を知ったのも高校2年生になってからです。予備校で大学生と関わる機会はありましたが、特定の大学生としか話せず、様々なリアルな声を聞くことはできませんでした。
メンターには、様々な大学や背景を持つ人がいます。だからこそ、多くの情報を得ることができ、自分に合った選択肢を見つけるきっかけになります。生徒さんには『大学は無理』と思わせず、行きたい気持ちがあるなら全力で背中を押せるように意識しています。
思い出に残っている生徒さんはいますか?
一つ目は、難しい数学の質問を持ってきた生徒さんです。複雑な問題で、時間をかけて一緒に試行錯誤しながら対応しました。すると後日、その生徒さんに『一緒に考えてくれて嬉しかった』と言われたんです。簡潔に答えを教えるだけが正解ではないと気づき、その後もその生徒さんは定期的に自習室に来てくれるようになりました。
もう一つは、勉強が苦手で後ろ向きだった中学1年生の生徒さんです。最初は補習を嫌がって泣いてしまうこともありましたが、少しずつ仲良くなろうと心がけました。すると、テスト明けで補習がない時期にも自習室に来てくれるようになり、今では友達を連れて来てくれるまでになりました。彼女の成長が本当に嬉しいです。
苦手科目克服の経験が、メンターとしての強みに
自分の経験がメンター勤務の中で活かせた、と思った経験はありますか?
私自身が国語が苦手で、進級も危ういほどでした。周りからも文系に進むことを止められていましたが、経済学部に進みたいという強い思いがあったので、必死に勉強して克服しました。『何となく』で解いていたものを『論理的に』考えるようになってから、成績が上がっていったんです。
この経験から、生徒の「何が苦手なのか」「どこでつまずいているのか」を紐解くお手伝いができればと思って、生徒1人ひとりと向き合っています。
苦手なことに挑戦するのは簡単ではありません。だからこそ、その意義が伝わるように工夫しています。受験で使う生徒には『楽しくやるための声かけ』を、使わなくても良い生徒には『克服することが自信になるよ』『将来役に立つかもしれないから頑張ってみよう』といった声かけを使い分けています。
先生方との連携で生徒の「やる気」を引き出す
プログラムの運営には学校の先生方との協力も必要不可欠かと思いますが、いかがですか?
そうですね。先生方と協力して、英語や数学の補習を担当したことがあります。先生方が生徒に利用を促してくれることで、普段自習室に来ない生徒が足を運ぶきっかけになりました。私たちは、自習室だけでなく、生徒が普段から能動的に勉強に取り組めるようなサポートを心がけました。
「英語への偏見」をなくす補習プログラム
英語が苦手な生徒さんが多かったので、まずは『英語への偏見』をなくしたいとメンター同士で意見を出し合いました。先生方と相談しながら、英語に親しむ時間を作りつつ、文法やイディオムなどの補習を実施しました。当初はサボる方法を聞いてきた生徒さんが、段々と私たちに親しみを持ってくれるようになり、今では推薦入試の準備で小論文の添削を依頼してくれるようになったんです。当時は進級も危うかった子たちですが、今では推薦を取れるくらいの成績まであがったということが、本当に嬉しかったです。
先生方と関わる機会はそんなに多くないですが、生徒さんをどんな状態にしたいのか、という目標は常に認識をそろえるよう意識しています。また学校によって校風が異なるので、メンターもちゃんと校風を踏襲したいと常に思っています。一人一人の生徒さんと向き合っている、ということが先生方に伝わるようなプログラムをこれからも実施していきたいです。
生徒と自分自身の未来へ向けて
最後に、小川さんの今後の目標を教えてください。
生徒さんたちには、『自分で走れる力』を身につけてほしいです。誰かの話を鵜呑みにせず自分で考え、苦手を前向きにとらえて挑戦していく姿を見られることが目標です。
私自身は大学卒業後は、コンサル会社に就職するのですが、そこでもメンターで学んだことを活かしたいと思っています。表に出て華やかに活躍するよりも、『縁の下の力持ち』として誰かのサポートをすることが向いていると感じています。メンターとして、うまくいかない時に支えてくれる『伴走者』の存在の大きさを感じたので、今後は『活躍したい』『頑張りたい』と思っている人の支えになりたいです。
■学習メンターになるには
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◎募集職種:学習メンター
◎勤務地
・関東エリア:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県エリアの学校
・関西エリア:大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県などの学校
◎勤務時間
・平日の放課後勤務(例:15:30~18:30)
・週1日~OK
※勤務する学校によって変動します。
※履修登録などが決まっていなくても、シフト調整が可能です。
◎給与
・時給1,530円~
※交通費全額支給
※昇給あり - ◎応募条件
- ・4月時点で大学もしくは大学院に所属している方
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