• 2025/11/17

あなたにとっての “最高の報酬” は?-時給以上の価値をみつける教育バイト体験談vol.1-

「教育バイトで得られるものとは?」――アルバイトを選ぶ際、報酬の額はもちろん重要です。しかし、家庭教師や塾講師といった教育バイトを経験した学生たちの多くは、金銭的な対価を超えた、かけがえのない“最高の報酬”を受け取っています。

本シリーズでは、t-news編集部が教育バイトで活躍する学生たちに体験談インタビューを実施。第一回は、東京大学教養学部文科一類2年の山本晃成(やまもとこうせい)さん
学業の傍ら、サークル活動、カフェでのアルバイトと家庭教師を両立する山本さん。自身の受験経験から、教えることの難しさとやりがい、そして教育バイトを通して見つけた「時給以上の価値」を語ってくれました。
教育バイトに興味があるが不安に思っている方、応募を迷っている方に、教育バイトの先輩たちの体験談は、きっとあなたの背中を押し一歩を踏み出す勇気を与えてくれるはずです。教育バイトで見つけた"最高の報酬"とは一体何だったのでしょうか? 

本記事はこんな人におすすめ!
  • 教育バイトを探している人
    • ・家庭教師に興味はあるけど漠然と不安がある
    • ・経験者の話を聞きたい
    • ・生徒やご家庭との関わりが心配… など
  • 現在勤務中の人
    • ・生徒のやる気を引き出すことに困っている
    • ・自分の指導方法に迷いがある/良い方法を模索している など

受験での学びを誰かの力に!「教育バイト」を始めた理由

将来は弁護士を目指しているという山本さん。お笑い好きが高じて大学でもお笑いサークルに所属。仲間同士でさまざまなユニットを結成し、ボケとツッコミ、どちらも担当しているとのこと。

山本晃成さん 

そうした活動との両立のため、アルバイトは「フレキシブルにシフトを組めること」を重視して探したそうです。1年生の頃から始めたカフェでのアルバイトに加え、2年生の春からは、東大家庭教師友の会で家庭教師も始めました。家庭教師は、現在週1回指導の小学生を担当。そのほか不定期で月2~3回指導の小学生を3名担当し、早くも多方面で活躍中です。

山本さん:「もともと人に勉強を教えることが好きで、教育バイトには興味を持っていました。自分が受験時に実践していた”学んだことを自分で説明しインプットする”という勉強の工夫がほかの人にも生かせるんじゃないかと。アルバイトとして報酬を得るだけでなく、勉強に悩む誰かの力にもなれる。教育バイトならそれが実現できると考え、家庭教師を始めました。」

山本さんが担当しているのは、中学受験を見据える高学年の小学生たち。
指導を通じて見えてきたのは、成績を上げること以外に、家庭教師として重要な役割があるということでした。

受験の辛さが分かるからこそ、生徒の不安に寄り添う

中学受験と大学受験を経験した山本さん。受験期を振り返ってもらうと「とにかく大変だった!」と答えます。集団塾には通っていましたが個別指導による1対1のサポートには頼らず受験を乗り切ったそうです。その道のりは決して楽ではなかったと言います。

山本さん:「とにかく周りが優秀に見えて、自分を信じることができず、受験まで間に合わないんじゃないかと焦ってしまう時期がありました。受験期はとにかくしんどかったです。あの時、1対1でちゃんと支えてくれる人がいたら、もっと楽に乗り切れたかなという思いがあります。だからこそ、自分が『どんなときに辛かったか』を思い返して、生徒に寄り添う姿勢を大切にしています。」

山本さんが重視する、生徒のメンタルケア。中学受験が近づくにつれて、生徒にかかる負担は大きくなります。

山本さん:「担当している生徒さんは集団塾にも通っており、その上で僕が家庭教師でサポートをしています。集団塾にいると周りと比べてしまい、焦りを感じるのは自分の経験からもよく理解できます。適度な焦りは必要ですが、自分を信じ自信をつけてもらうことも大切。家庭教師での指導では、自信をつくようサポートしていきたいです。」

受験経験を活かせる家庭教師を探す

求人例

生徒: 小学2年生・女子

時給:2,400円+交通費

曜日: 週1回 60〜90分(15:30〜19:00)

指導科目: 算数、国語

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「親御さんを安心させる」第三者としての役割も必要

生徒のメンタルケアと並行して、山本さんが大切にしているのは保護者の方へのケアです。

山本さん:「中学受験は、生徒本人より親御さんが焦るケースも多いのではないかと思います。家庭教師を依頼されている時点で、『このままだとついていけないのでは』という大きな心配を抱えている。だからこそ、まず親御さんを安心させるのも重要なことだと考えています。『今この習熟度であれば来年はここまで目指せる』と自分の経験をもとに、親御さんに対し伝えるようにしています。」

山本さんは、現状の成績と最終目標を客観的に示すことで「今は焦る必要はない」と親御さんに伝え、不安解消に努めます。家庭教師という第三者の立場で「客観的に」そして「経験から」伝えることが安心材料になるということが分かります。

山本さん:「親御さんが心配しすぎると、そのプレッシャーが全部生徒に行ってしまう場合もあります。そうならないように、生徒さんへの指導だけでなく、保護者さんに安心してもらうこと、どちらのケアが大切だと考えています。」

「いい影響を与えられないかも…」初めての体験授業で辞退した経験

 東大家庭教師友の会では、書類選考と面接ののち、通過した方に生徒さんへの「体験授業」を経て、お互いの合意をもって正式な指導を開始します。

山本さんは、初めての応募した際の体験授業で、あえて辞退するという決断をしました。

山本さん:「初めて担当した生徒さんは帰国生で、自分が専門外の科目や指導が難しい分野も含まれる可能性がありました。毎週の指導でこの生徒さんに『いい影響を与えられないかもしれない』と判断したため、指導をお断りすることを選びました。」

「当時は、自分にできることがなにかが分かっていなかった」と振り返る山本さん。そうした経験を踏まえながらも、自分が貢献できることはなにか、生徒に確かな良い影響を与えられるかを掘り下げて考えたことで、現在の生徒指導に繋がっているようです。

「分かってる?」と聞くのは逆効果

指導を始めた当初、山本さんは生徒が本当に理解しているかを見極めるのに苦労したと言います。

山本さん:「『分かってる?』と聞いても、子どもはつい『うん』と言ってしまいます。表情や目線を見て、集中しているか、本当に理解できているかを観察する必要があることに気づきました。子どもは正直なので、たとえば手を見ると「いま集中していないかも」と分かります。なるべく生徒の挙動には注目するようになりました。
逆に、『分かってる?』と聞くのは、生徒にプレッシャーになるだけで逆効果だと学びました。結局、そう聞くと『分かった』としか答えられなくなってしまうので。」

山本さんが指導で実践している工夫は、「生徒に説明してもらう」ことです。

山本さん:「『これってどういうことだっけ?』とあえて反問し、生徒に口で説明してもらうことで、どこまで理解が進んでいるかを確認します。これは生徒自身の理解を高めることにもつながります。それをするようになってからは生徒も手が抜けないと感じたのか、前向きに授業を受けてくれるようになりました。」

また、生徒のやる気を引き出し、集中力を保つためのユニークな方法も。

 山本さん:「担当している生徒は国語が苦手です。2時間の指導中、ずっと苦手な国語をやらせるのはしんどいと思います。そこで、間に好きな科目でもある理科を挟むということをやります。国語を解いて、10〜15分ほど理科の問題を解き、また国語に戻る。苦手な科目の間に好きな科目を挟むことで、飽きてもほかの勉強で気を紛らわせるという、自主的な学習習慣をつけられたらいいなと思っています。」

「個別指導で感情的になってはいけない」

 どのようなきっかけでそうした方法を始めたのでしょうか。よく「観察する」や「感情的にならないこと」にヒントがありました。

山本さん:「国語を教えていてもあきらかに好きじゃないことが伝わってきました。あるとき、次の問題の準備をしているときに、生徒が理科のテキストを開いて問題を解き始めることがあり、前のめりな様子から生徒が理科が好きなことが伝わってきました。関係のないことをしないよう注意しても生徒が委縮してしまうだけだと思い、そのまま理科の問題を解くのを観察することがきっかけでした。」

そして個別指導では感情的になってはいけない。と続けます。

山本さん:「個別指導のように、1対1の空間では注意しても怖いと思わせてしまいます。特に対面の家庭教師の場合は、生徒の自宅で行うので、感情的になって注意してしまうと「怖い人が家にやってくる」というイメージだけが残ってしまいます。できるだけフランクに接するよう心掛けています。」

感情的にならず、生徒がどういう子かをよく観察し、その子に合ったやり方を常に探していく。インタビューから山本さんのユニークな個別指導のスタイルが見えてきました。

「心を許せる先生」に。生徒がポロッと話してくれた雑談が“最高の報酬”

山本さんにとって、教育バイトでの「最高の報酬」とは何でしょうか。

山本さん:「生徒と教えている内容と関係ない雑談をして、その子がふだん何をやっているのかを自分から開示してくれた瞬間がとても嬉しかったです!」

ふだんは授業以外の話はあまりしない生徒さんが、ある日突然「明日から林間学校なんだよね~」とポロッと教えてくれた時、山本さんは素直に嬉しかったと言います。

山本さん:「僕のことを、自分がふだん何をしているか見せてもいい人なんだ、と心を開いてくれた感覚がありました。ある意味、安心して授業に臨んでますよ、と生徒が教えてくれた気がして。それは、成績が上がること以上に、教師として心を許してもらえたことへの最高の報酬でした。」

 

これから教育バイトを始める人へ

最後に、これから教育バイトを始める人に向けて、山本さんの家庭教師の経験からコメントをいただきました。 

山本さん:「対面指導の家庭教師として、人のお宅に上がりご家庭と密に関わることに、はじめは不安に感じていました。そう感じる方はほかにもいるかもしれません。でも、目の前のお子さんやご家庭に、本当にまっすぐ向き合うという一番大事なことを大切にしていれば、そんなに心配しなくても大丈夫だと思いました。
自分ができることがなにかをよく考え、自分に合った仕事をゆっくり選んで始めてみてください!」

山本さんのお話から生徒に寄り添うことの大切さ、そして、観察力と工夫に満ちた実践的な指導のヒントが見て取れます。これから教育バイトで一歩を踏み出す方や、日々の指導に悩む方にとっても勇気になるのではないでしょうか。次回の教育バイトの体験談もどうぞお楽しみに!

(聞き手・文・写真:t-news編集部)
※掲載内容は取材時(2025年10月時点)のものです

あなたにとっての"最高の報酬"を!

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こんな家庭教師の仕事も!

生徒: 小学2・女性
時給: 2,400円+交通費
曜日: 週1回 60〜90分(15:30〜19:00)
科目: 算数、国語

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