楽しいおしゃべりの上達に!テーブルトークRPGとは?
大学生活や就職活動、もちろん社会に出てからも、どうしても必要になってくるコミュニケーション能力。「おしゃべりが苦手…」「いつも気を遣いすぎちゃって疲れる…」「つい喧嘩腰になっちゃって…」と、苦手意識の強い方も結構いるのではないでしょうか?そんなあなたにオススメなのがTRPG(テーブルトークRPG)という卓上ゲームです。数人の友だちと、メモ用紙と筆記用具、それからサイコロ。たったこれだけのアイテムで、ゲーム機で遊ぶRPGのようなワクワクする世界を楽しめてしまいます。その上、コミュニケーションの練習にもなるとしたら…ちょっと試してみたくなりませんか?
前回のあらすじと今回予告
前回は、いつものメンバー3人で、新しくゲームを始めるべくキャラクターを作成しました。予想通り予想外の注文*を付けられたり、何歳からおっさん?なんていうどうでもいい話に花が咲いたり…。いいんです、おしゃべりするゲームなんですから、楽しいおしゃべりができるのが一番。
さて、でも今回からは、ちゃんとゲームを勧めていきますよ。プレイヤーたちがこのシステムで遊ぶのは初めてですから、そうだなあ、簡単なダンジョンものにしようかな?迷路と化した洞窟を、モンスターと戦いながら進んでいく…って、RPGの王道っぽいですよね。よし、それでいこう。
TRPGって何?という方は、簡単な解説をしていますので、前回の記事をご覧下さい(→こちら)。
- *解説*
・予想通り予想外…何か思ってもみないこと言われるんだろうなあ、と覚悟をしていた、ということ。何を言われるかはわからなくても、何か言われるんだろうな、と思っておくだけでテンパらなくて済む。
TRPGをやってみよう!
本編の登場人物
- せい…この記事の筆者で、GMを務める。普段からPLよりGMをすることが圧倒的に多い。
さちこ…友人1。アツいプレイが長点で、気づくと主人公的立ち位置にいる。但し暴走しがち。
一郎…友人2。女の子でさえあれば誰でも一生懸命助けようとする。プレイには真摯。
イヴァン
剣士 男 28歳 PL:さちこ
技量値9 知識値5 運勢値5 体力値18
馬とか牛とか鶏とかを飼ってる牧場の息子。素敵な嫁を密かに募集中。
エトワール
魔法使い 男 32歳 PL:一郎
技量値5 知識値7 運勢値9 体力値18
パン屋の息子。好物エッグタルト。いい加減嫁もらってこいと尻蹴っ飛ばされて旅に出たりする。
scene:0 オープニング
君たちは、大陸の隅の小さな村に暮らしている。物資には乏しいが決して貧しくはなく、ただ少し、退屈な毎日。イヴァンは今日も馬の世話をして牛の乳を絞り、エトワールは煤で両腕を真っ黒にしながらパンを焼く。そんな長閑な君たちの村に、ある日、小さな陰りが差した。
奇病の蔓延。それも、小さな子供だけがかかる病気なのだという。患者は皆10際に満たない程度の子供ばかりで、それが酷い熱と激しい吐き気に襲われ、幼い身体は数日で脱水症状に陥り、為す術無いまま死に至る――。
原因は不明だが、治療法は見つかっていた。
村でたったひとりの医者は、隣の村で栽培されている、とある薬草がこの病の特効薬だと言った。隣村までは山を越えていかなくてはならない。片道2日はかかる道のりだ。
そして、一番最初に発病した、村長の娘カテリーナは、もってあと一日のところまで来ているという…。
せい そんな感じで、君たち2人は朝っぱらから村長の家にお呼ばれしているよ。
一郎 カテリーナ嬢おいくつ?
せい 今年で9歳になるね。生き延びられたらね。言うまでもないけど自慢の箱入り娘。
一郎 ふむふむ。
せい 茶色い髪をおさげにしていて、笛を吹くのが上手*。
さちこ ふむふむ。
せい 村長の家には、君たち2人に加えて、あと何人か同じ年頃の若者たちがいるよ。なんだなんだってざわざわしている感じ。君たちも、何の用事で呼び出されたのかは聞いていないね。
一郎(以下エトワール) じゃあ、そのざわざわしている若者たちに話しかけよう。 「どうしたんだいみんなして?今日はお祭りか何かだったっけ?」
……いや、村長の娘が病気だってわかってるのに、その発言はちょっと無神経すぎる*だろう。
せい すると、若者のひとりがカッとなって答えるよ。「ばかっ、下手なことを言うなよ!カテリーナがもうヤバいってのはみんな知ってることだろ。村長の気持ちを考えてものを言えよ!」そしてそれを宥めるように他の若者が、「まあまあ、実際、なんで呼ばれたのかは俺たちもわからないんだしさ。ただ、エトワール。例の病気に関係があることだとは思うぜ。俺たちみんな、年頃の近い連中で集められてるけど、ほら、去年足を折ったローラントがいないだろ」と。ちなみに仕立屋のローラント君は、去年の骨折からこっち、びっこを引いて歩いています。
さちこ(以下イヴァン) ほほう。じゃあ、「薬草を取ってくるってこと?」と言うよ。
若者 「わからないけど、俺はそうじゃないかと睨んでる」
エトワール 「まあ、村長が来てくれれば、説明してくれるさ。」
- *解説*
・笛を吹くのが上手…今決めた。重要な登場人物や、PLたちにとって大事な人になってほしいNPCは、ストーリーには直接関わらなくても、ある程度のパーソナルデータがあると「村人A感」がでなくて良い。
・無神経すぎる…空気読もうよエトワール。ところで、PLがなんだかトボけていて、せっかく創ったシナリオに上手く乗っかってくれないことは幾らでもある。大事なのはそこでGMがキレちゃいけないってことだ。ここはNPCである若者A君にGMの気持ちを上手く代弁してもらって、更にそれを若者B君がなだめている。だって、トボけた発言をしたのは一郎じゃなくてエトワールなのだから。
せい じゃ、そんなところで村長が入ってくるよ。
村長 「朝から呼び出してすまなかった。みな、よく来てくれた」…そう話す表情は暗く、ここ数日ですっかり老け込んだように見える。「知ってのとおりだが、わたしたちの村に蔓延している病は、隣村にある薬草でしか治せない。そのことがわかった昨日、イヴァン君の馬を借りて*馬車を走らせたが……戻るのは、早くて明後日の昼だろう。しかし、我が娘はもって明日の晩までと言われている。薬草を待っていては間に合わないのだ……そこで、諸君に頼みたいことがある」
そう言って、村長は、若者たちの顔を見渡す。
村長 「昔、この村と隣村とをつないでいた洞窟がある。モンスターが棲み付くようになって以来、閉鎖されているのだが……あれを通れば、半日で隣村へ行くことができるのだ。
危険は多い。モンスターはあれから、繁殖しているに違いないし、管理が滞った洞窟は、そもそもまだ、隣村まで通じているかもわからん。それでも、娘を救いに立ち向かってくれるものがいればと思い、君たちを呼んだ。
……どうかね?無論、充分な礼はしよう。貧しいこの村だが、わたしにできることは全てする。誰か、行ってくれる者はおらんか」
せい さて、君たちはどうする?
イヴァン いくいくー。「そんな道があったのですか!そうと知っていればすぐに行ってましたよ!俺でよければ、行かせてください!」
出た、PC1*。
せい うん、そんな君の声に、部屋はシン…と静まり返るよ。それからひそひそ声。「おい、マジかよ」「あいつ本当にわかってんのか」などなど。平たく言うと、君たち以外はドン引き。
エトワール まあ普通は行きたくねーわなwww 「じゃあおっちゃんも一緒にいこうかなあ。イヴァン君1人じゃ心配だし、カテリーナちゃんの笛が聞けないのは寂しいし*ねえ」
せい 「ちょっ、エトワールさんまで!やめてくださいよ、俺あんたの店のパンが気に入ってるのに!」と、なぜか死ににいく前提で*引き止められるよ!
エトワール 「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。今後ともうちをご贔屓に頼むよ?ああ嬉しい。帰ってきたら何かおまけをあげようかな。ふふふ」
せい それからイヴァンは、「正気か?モンスターと戦えるのか?お前が?」と混乱した表情で問い詰められる。
イヴァン 「え?戦えるかどうかじゃなくない?目の前の女の子が苦しんでるのに、僕らがモンスターと戦うことを拒む理由って、なに?」
せい これだからPC1は……。じゃあ、心配そうに声をかけてきた若者は、「だからってそんな危険な……!ああ、お前はそういうヤツだったな」と途中でなんか悟ったよ。
イヴァン 「カテリーナちゃんだって、危険な状態じゃないか!」
若者 「だけど、洞窟に行ったヤツが死んだら、カテリーナだって助からないんだぜ」
イヴァン 「最初から行かなくても、助からないよ。行ったほうが望みがあるし。」
エトワール 「んー?というか、何で死ぬんだい?」
この不毛なやりとり*をもう少し続けるのも楽しそうだけど、キリがないのでこの辺でやめておこう。
- *解説*
・イヴァン君の馬を借りて…PC設定の中に、シナリオに関係させられそうなところがあったら、とりあえず絡ませてみるといい。せっかく考えた設定が、シナリオに活かされていたら楽しいよね。という、サービス精神で。 - ・出た、PC1…PC1というのは、歌舞伎で言うところの一枚目、つまり主人公的気質のこと。さちこのPCはだいたいこんなかんじで、正義感が強くて素直で無鉄砲で、主人公と言う以外に何といえばいいのだろう。扱いやすくて助かる。
・笛が聞けないのは寂しいし…今決めた設定が活かされると、GMも嬉しい。お互い様である。
・なぜか死ににいく前提…案外PLたちがノリノリでロールプレイ(キャラクターの口調で台詞を喋ること)してくれたので、こっちも調子づいて話をとことん大げさにしてみた。 - ・不毛なやりとり…そんな危ないところに行っては間違いなく死んでしまう、と思っているNPCの若者たちと、(PLが、GMはそんな無茶なシナリオを用意していないと知っている、というのもあるけれど)ケロリとしているPCたち。その対比が面白くていつまでも続けていたくなるが、PLたちには思う存分格好つけてもらえたと思うので、そろそろストーリーを進めよう。
村長 「――よい、よい、最初から無理は承知だ。向かってもらえるのは2人かな?ありがたい、本当に心から感謝する。必要な装備はこちらで用意しよう。エトワール君は確か、魔法の心得があったな。魔力が宿っているといわれる魔法の杖が蔵にあるはずだから、それを君にあげよう」
エトワール 「わあ、いいんですか村長?いや、傭兵だったって言ってた爺さまから聞いたんですけど、それって確かほいほいとあげられるようなものじゃないのでは?」
村長 「我が娘の命のためだ。何を惜しむべきだろう」
っていうか、持ってってもらわないと困る。丸腰で挑むつもりか。
村長 「きっかり正午に、もう一度この家へ来ておくれ。渡すべきものを渡そう。その後に出発してもらいたい」
エトワール 「正午集合ですねぇ。わかりました」
せい という感じだけれど、正午までに何をしたい?
エトワール お腹がすいた時用にパン持ってく
イヴァン お腹がすいた時用にパン買ってく。あと牛乳持って行こう
せい あ、じゃあ村長からの食糧支給はいらない?
イヴァン えー、欲しい。
せい 欲張りさんめwww
エトワール 育ち盛り(32と28)
イヴァン 食に関しては黙って見ておれぬ。
せい はいはい。じゃあ、それで村長ちに行くと、
イヴァンの持ち物
・剣 ・背負い袋 ・ランタン ・食糧2食ぶん ・金貨5枚
エトワールの持ち物
・魔法の杖 ・背負い袋 ・羊皮紙とペン ・食糧2食ぶん ・金貨5枚
が、用意されていたよ。
ちなみにエトワールさんが今使える魔法は、
エトワールの魔法
・炎の魔法(敵一体にダメージ)
・眠りの魔法(敵一グループを眠らせる)
・愚者の黄金(石ころを金塊に見せかける幻術)
の3種類です。
食糧はそれぞれ持参した分があるから、3食分に直しておいていいよ。
さて、じゃ、今は真昼だ。どうする?
イヴァン 洞窟いこう!
エトワール ごーごー!
せい では、君たちは黒々と口を開ける洞窟の目の前にたどり着いた。 『危険!モンスター頻出の為、近寄るべからず』という警告の看板が出ているねえ。もちろん君たちはここへ入って行かなくてはいけないわけだが……。と、いうところで今日はここまで。次回はいよいよ洞窟だね。お疲れ様でした!
まとめ
いよいよストーリーが展開し始めています。今回は物語の導入ということで、ロールプレイが多めの回でした。いま遊んでいる面々はTRPGに慣れていますし、Skypeのチャット機能で遊んでいるので、結構積極的に台詞を言ってくれますが…、実際に会って遊ぶとなると、案外そうも行きません。だって恥ずかしいですよね?ノリノリで声に出して「カテリーナちゃんは苦しんでいるんだ!」とか。でも、これができると楽しいものなのです。筆者はやります。だって楽しいから。
発表とかプレゼンテーションの時、ぼそぼそと小さい声で話すひとより、てきぱき楽しそうに話しているひとの方が好感が持てますよね?そう、恥ずかしがっていてもいいことはないのです。というか、恥ずかしがっている方が、見ているこっちは恥ずかしいもの。ということで、まずは親しい友だちの間で、格好いい台詞を言えるようになってみてはいかがでしょうか。
次回は洞窟突入編です。
関連リンク
コミュニケーション上手になりたい!テーブルトークRPGを遊んでみよう
- 記事執筆:せいちゃん
- 都内の大学で日本語・比較文学文化などを勉強中。
- 最近の趣味はTRPGという卓上ゲーム、地元では中学生の頃からボーイスカウト活動を続けています。










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