楽しいおしゃべりの上達に!テーブルトークRPGとは?
大学生活や就職活動、もちろん社会に出てからも、どうしても必要になってくるコミュニケーション能力。「おしゃべりが苦手…」「いつも気を遣いすぎちゃって疲れる…」「つい喧嘩腰になっちゃって…」と、苦手意識の強い方も結構いるのではないでしょうか?そんなあなたにオススメなのがTRPG(テーブルトークRPG)という卓上ゲームです。数人の友だちと、メモ用紙と筆記用具、それからサイコロ。たったこれだけのアイテムで、ゲーム機で遊ぶRPGのようなワクワクする世界を楽しめてしまいます。その上、コミュニケーションの練習にもなるとしたら…ちょっと試してみたくなりませんか?
前回のあらすじ
前回はオープニングシーンということで、主人公となるイヴァンとエトワールが、自分の住む村の村長に依頼を請けました。内容は、今まさに村で蔓延している病気を治せる薬草を、隣村まで取りに行ってほしい…というものです。隣村までは、普通に向かうと片道2日をかけて山道を越えていかなくてはなりません。しかし村長の愛娘は、病気の進行がひどく、もってあと丸一日だとか…。そこで村長は、モンスターが棲むようになってから使われていなかった、隣村とを繋ぐ洞窟を使うことを思いついたのでした。充分な装備を支給され、イヴァンとエトワールは今、洞窟の目の前に立っています。
TRPGって何?という方は、簡単な解説をしていますので、初回の記事をご覧下さい(→こちら)。
TRPGをやってみよう!
本編の登場人物
- せい…この記事の筆者で、GMを務める。普段からPLよりGMをすることが圧倒的に多い。
さちこ…友人1。アツいプレイが長点で、気づくと主人公的立ち位置にいる。但し暴走しがち。
一郎…友人2。女の子でさえあれば誰でも一生懸命助けようとする。プレイには真摯。
イヴァン
剣士 男 28歳 PL:さちこ
技量値9 知識値5 運勢値5 体力値18
馬とか牛とか鶏とかを飼ってる牧場の息子。素敵な嫁を密かに募集中。
エトワール
魔法使い 男 32歳 PL:一郎
技量値5 知識値7 運勢値9 体力値18
パン屋の息子。好物エッグタルト。いい加減嫁もらってこいと尻蹴っ飛ばされて旅に出たりする。
scene:1 警戒は程々に
せい 君たちは黒々と口を開ける洞窟の目の前にたどり着いた。 『危険!モンスター頻出の為、近寄るべからず』という警告の看板が出ているね。ところで君たちは、こういう地図を村長から渡されているよ。
(Skypeのデータ送信機能で、さちこと一郎の2人に地図を送信。)

さちこ(以下イヴァン) ふむ。
せい 出発地点は下で、上を目指してください。入口近辺に1つずつ部屋があるけど、通行者とその目的を管理する、事務所とか関所的な場所だと思ってください。
一郎(以下エトワール) 野生の洞窟じゃないんだね。
せい うん。この村の人と、隣村の人たちが以前、共同で掘ったんだよ。その方が物資のやりとりも盛んになるしって。ただ、程なくしてその洞窟にモンスターが棲みつき、一掃できるほど力のあるものはいなかったので、仕方なしに閉鎖された。この話は、君たちはなんとなく聞いて育ったんじゃないかな。つまり、生まれた時には既に閉鎖されていたってわけ。
イヴァン ふむふむ。
エトワール ほほう。
せい そんな感じです。さて、どうしましょうか。
イヴァン ランタンつけて進もうか。
せい お、ランタンつけるのね*。了解了解。ランタンに火を灯すと、ぼうっと灯りが広がって、数歩先までが見通せるようになった。入り口から覗くかぎりでは、地図通り、右手に折れる通路とまっすぐ伸びる通路があるようだよ。
イヴァン よし、とりあえず作戦をひとつ思いついた。
エトワール 作戦?
イヴァン うん、ロールプレイでいいかな*?
せい どうぞどうぞ。
イヴァン 「まず初めに、右の方に部屋があるだろ。俺があの部屋の中見てくるから、アンタにはここで待ってて欲しい。」
エトワール 「うん?いいけど、1人は危なくないかい?」
イヴァン 「そうそう。ここからが作戦な。戦闘するなら、明るいほうがいいだろ?だから、もし部屋にモンスターがいたら、俺がこっちまで走っておびき寄せてくるから。アンタはここで、術の準備でもしていてくれ。」
エトワール ほう。
せい なるほど把握。
エトワール GM、炎の攻撃するときとかって、詠唱する感じ?
せい あ、うん。演出としては*呪文を唱える感じかな。ビビデバビデブー。で、魔法を使うのに、準備に1ターンかかるとか、そういうのはないです。斬りつけるのと同じ。
イヴァン 攻撃の順番はどうなるの?
せい 無い。宣言した順
イヴァン ええーっ
エトワール へえー。
せい あれ?SWもそんな感じ*では?
イヴァン SWは順番あるよ。敵陣との先攻後攻だけど
せい あ、先攻後攻の概念もないです。ていうか、戦闘になったら説明するから*。
- *解説*
- ・ ランタンつけるのね…灯りはついつい忘れがち。これを点けないと、暗闇で石に躓いて体力が減ったりします。
- ・ロールプレイでいいかな…ロールプレイはキャラクターになりきって台詞で喋ること。大歓迎です。
- ・演出としては…システム上は「炎の呪文を唱えます」「はい。モンスターがダメージを負いました」で済んでしまうのだが、それじゃあんまりにも味気ないし、コンピューターゲームのエフェクトの方がかっこいい、ということになってしまう。自分で考えた演出や呪文を使えるところも、TRPGの魅力かもしれない。
- ・SWもそんな感じ…SWは有名なTRPG「ソードワールドRPG」やその改訂版の「ソードワールド2.0」の略称。大抵のTRPGの戦闘ではキャラクターごとに「すばやさ」や「敏捷度」「DEX」「AGI」などといったステータスが決められており、これの高い順に行動をすることが多いのだが、「ソードワールド」の戦闘システムでは、キャラクターごとではなく、敵と味方のどっちが先に行動するかだけを決める。
- ・戦闘になったら説明するから…気になるのはわかるが、今説明しても戦闘になった時にはどうせ細かいことを忘れていてまた聞くことになるんだから、今はとりあえず進めてくれ。
イヴァン じゃ、とりあえずイヴァンが部屋に行きます。
エトワール 「うん、わかったよー。気合入れて準備しとくから、危なかったら早く戻っておいでねぇ」
イヴァン 「おう!」と俺に任せとけ顔で洞窟内に消える。
せい はいはいカコイイカコイイ
エトワール 若いわー
イヴァン かっこ良くないwww アホの演出*ですこれは
せい うんうんカコイイカコイイ。で、ランタン持って曲がり角まで行って、曲がる?
イヴァン あ、危険確認しながら*曲がる。
せい 了解。ま、特に危険はなく、そのまま曲がれるよ。数歩先に扉があるね。閉まってる。
イヴァン 鍵がかけられている*か確認しよう。
せい ドアノブはスッと動くよ。つまり、鍵はかかっていないようだ。
イヴァン よし、開けるだけ開けて、入らない。様子見する。数歩さがって、攻撃の準備。
バリバリに警戒してもらってるところ申し訳ないんだが、その部屋は空だ*。早く進んでくれ。
せい ランタンは?ないと、部屋の中までは見ることができないよ。
イヴァン ランタンあるよ。ああ、持って、照らさないと駄目ってこと?
せい そういうこと。開けて、中を照らすなら見えるよ。じゃないとランタンの影になって、部屋の中は見えない。
イヴァン うーん……。仕方ない。中を照らそう。
せい それなら、中は正方形の人工的な部屋で、大きな机と棚、椅子がある。しんとしていて、生き物の気配はない*。
イヴァン ほっ。じゃあ、エトワールさん呼んでこよう。部屋の中にトラップとか、何かあっても困る。
とことんまで警戒するなあ。ぶっちゃけ、ここの洞窟に棲んでる魔物、大したことないんだけど。
エトワール 待ってるなう。
イヴァン 呼びに行くよ。「モンスターはいなかった。中、調べてみよう」
エトワール 「おや、幸先がいいねえ」って言いながらついていくよ。
せい はいよ。じゃ、どこを調べるか宣言するか、アバウトに眺めてみるかだな。
イヴァン えっと、イヴァンは机を調べよう。
エトワール じゃあ、棚で。
せい 洞窟行路の往来記録を記した書類があったよ。
イヴァン どっち!?
せい あ、ごめん、机の方*。棚の方には、洞窟の調査書といいますか。そんなものが。
イヴァン 行き来の書類は、一番最近のものが何年前なのか、見ておきたいな。
せい ざっと40年は昔かな。
エトワール 調査書の詳細は?
せい 「最近ゴブリンがうろついていて危ない。穀物を持ってここを通ったアドルフが、襲われて怪我をした。穀物は全て奪われた」みたいなことがぽつぽつと。
イヴァン うーん、ヒントになりそうなものは無いかな。先に進もうか。
せい ここはもういいのね。
エトワール 椅子はただの椅子?
せい あ、うん。特に化ける予定はない。
エトワール そっか。じゃあ進もうかね。
せい OK。
- *解説*
- ・アホの演出…格好いいところを演出するのもいいけれど、こういうのも案外楽しいもの。
- ・危険確認しながら…駆け出しの冒険者としては上出来すぎるくらいの心がけである。ただし、GMが用意した仕掛けがこれのせいで台無しになったりもするんですが(涙)
- ・鍵がかけられている…コンピューターゲームではどこかの宝箱から鍵を見つけてくることで通れるようになることが多いけれど、TRPG世界では、本当に大事な扉以外は、開けるのに正しい鍵を使うことは少ない。ではどうするのかというと、針金やピンで不正に解錠したり、体当たりをして扉をぶち壊したり…である。体当たりの方は「ファイティング・ファンタジー」では通例だが、他のTRPGではあまり一般的でなかったりするので要注意。筆者も、「ソードワールド2.0」をプレイ中に何気なく「体当たりをします」と言ったら、GMに注意されたことが…。
- ・その部屋は空だ…と、言ってしまうとネタバレになってしまうので、GMはただただ架空の敵と一人相撲を続けるイヴァンを見守るしかない。
- ・生き物の気配はない…プレイヤーの警戒レベルが高すぎて、先に断言してしまわないと、部屋中ひっくり返してモンスターを探しだしそうな雰囲気だったので。
- ・ごめん、机の方…Skypeのチャット機能で遊んでいるので、タイピングの速度などの理由でこういった行き違いが発生することがある。誰の、何がどうなのか、しっかり言わなくては…。反省。
せい 今君たちは、部屋を出て、右手に曲がるわけだ。入り口からは真っ直ぐ進んだ地点にいる。ちょっと2D6を振ってみて。
イヴァン 二人とも?
せい うん。
イヴァン (コロコロ…)8だったよ。
エトワール (コロコロ…)3が出た。
せい あ、ピンゾロがクリティカル、六ゾロがファンブル*ね。で、イヴァンの技量が9、エトワールの技量が5だから…二人とも、ぎりぎりだけど成功か。ちょうどT字路を右に折れたところに、何かが仕掛けてあることに気づいたよ。
エトワール おっ?
せい ほそーい糸のようなものが、通路を横断するように張られている。暗いし、注意していなければ気づかない程度の細い糸だね。
エトワール うわっ、なんだか、触りたくないなあ。
せい よく観察してみる?
エトワール みる。
せい じゃあ、糸を目で辿っていくと、頭上に何かの骨がいくつか縛り付けられたものが括りつけてある。これを見た人は2D6を振ってね。知識値以下の数字を出したら成功だよ。
イヴァン 見るよ!(コロコロ…)3だ。知識値以下、出た。
せい でたね。エトワールは?
エトワール ちょいまち。(コロコロ…)8。失敗。おっちゃん頭パーだな。
せい エトワールの知識値は7だよね?いちたりない仕事してる*なあ。
イヴァン いちたりないなら仕方ない。
せい 仕方ないな。さて、イヴァン君はハッと気づくんだが、この糸をうっかり踏むと、括りつけてある骨が落下してきてガラガラと大きな音を立てる仕組みになっているようだよ。まあ、簡単な警報機だね。
イヴァン 「おお…。モンスターのくせに、警報機なんかつけてあるぞ…。やりおる。」
エトワール 「へえ、なんだろーと思ってたら警報機だったんだ。すごいねえ」
イヴァン 「この骨がガラガラ落ちてきたら相当、洞窟内に響くでしょうからねえ…」
せい うん、気づいちゃったんで、踏まないように通れば大丈夫だよ。
イヴァン うん、踏まないように通るよ。
エトワール 「頭痛くなっちゃいそー」と言いながら、同じく気をつけて通るよー。
せい では…。稚拙な罠を用心深く通り抜けた君たちは、イヴァンが照らしだしたランタンの灯りの先が、どうやら地図とは様相が異なっていることに気がつくよ。具体的には、一本道のはずの通路に、十字路が発生している。 仕掛けられていた罠のことといい、やはり、この洞窟内には何者かが存在しているようだ…。
イヴァン おお。それっぽくなってきたぞ。
エトワール 地図がやけに単純だから、怪しいとは思ってたんだよね。
せい というあたりで今日はここまで!お疲れ様でしたー。次回、君たちは無事に洞窟を抜けられるかな?
- *解説*
- ・ピンゾロがクリティカル、六ゾロがファンブル…ピンゾロとは、6面ダイスを2つ振って、両方1が出ること。ピンは1のこと、ゾロはゾロ目の略称で、これは確か賭博の用語のような…。六ゾロはその逆で両方6のことを指す。またクリティカルは「大成功」、ファンブルは「大失敗」のことで、それぞれ通常よりも更に良い/更に悪い結果が出ることになる。
- ・いちたりない仕事してる…TRPGを遊んでいる人たちの元に現れ、あと1つ数字が足りていれば成功したのに…というダイス目を出すのが好きな「妖怪いちたりない」のこと。 単純に出目が悪かっただけじゃないかって?いやいや、これがホントにいるんだって。
まとめ
ようやく始まったか!と言われてしまいそうですが、ゴブリンの棲む洞窟内の冒険、いかがだったでしょうか。まだモンスターも出てきていませんが、地図で見るほどアッサリした冒険では済みそうにありません。まだ2人の冒険は第一話も始まったばかり。どうぞお付き合いくださいませ。
ところで、イヴァンとエトワールがそれぞれ別の場所を調べて、出てきた書類がどっちのものかわからない…という場面がありましたが、あれ、筆者、よくやりがちなのですね。仲の良いメンバーと遊ぶことが多いので、ついつい説明もおざなりになってしまいがち。よくありません、「親しき仲にも礼儀あり」です。ちゃんと、「イヴァンの調べた机には」「エトワールの調べた棚には」と言い分けなくてはいけません。実際に顔を合わせてプレイしている分には、手振りや目線なんかで、どっちに言っているかわからないということはあまり起こらないのですが…。
さてさて、次回はようやく、モンスターとの戦闘もありますよ。
関連リンク
コミュニケーション上手になりたい!テーブルトークRPGを遊んでみよう
コミュニケーション上手になりたい!テーブルトークRPGを遊んでみよう2
- 記事執筆:せいちゃん
- 都内の大学で日本語・比較文学文化などを勉強中。
- 最近の趣味はTRPGという卓上ゲーム、地元では中学生の頃からボーイスカウト活動を続けています。










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